コースの目的
科学的なアプローチを用いて科学技術イノベーション政策の企画・立案、遂行、評価、修正を行うことができる人材を育成する。
概要
知識が経済・社会の発展に大きな影響を及ぼす知識基盤社会においては、科学技術イノベーション政策の役割は、科学知識の発展のためだけでなく、新産業創出や、雇用の確保、生活の質の向上、環境問題、さらにはSDGsを含めた社会課題の解決のためにも急速に高まっています。また、デジタル化の時代において研究開発やイノベーションの方法論も変化し、その政策やマネジメントのあり方の理解も必要となっています。
このような背景のもと、本コースでは、政府、地方自治体、大学、公的機関、ならびに企業において、科学的アプローチを用いて効果的な科学技術イノベーション政策(科学政策、産業技術政策、イノベーション政策、環境政策、エネルギー政策などを含む)や戦略の企画、立案、実施、評価を行える専門職業人の育成や、将来、博士課程等に進学し、大学や公的研究所等において科学技術イノベーション政策に関する研究ならびに教育を行うことを目指す者の育成を行います。
本コースは、標準修了年限が1年であり、授業を通じて問題分析と政策・戦略の企画に必要な知識と方法論を身につけた上で、特定の課題についての研究成果(ポリシーペーパー)の審査に合格することで修士号の取得が可能となります。
教授陣には、国内外の科学技術政策研究の専門家を揃え、さらに、実践的な研究教育を行うために、第一線で活躍する実務家を講師として迎えています。また、内外の優れた研究者や実務家を招き、最新の研究成果や政策課題を議論する研究会、セミナーも開催します。
本コースは、文部科学省の支援によって運営されており、また、文部科学省科学技術・学術政策研究所(NISTEP)、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)、独立行政法人経済産業研究所(RIETI)、海外の関係機関と連携し、研究・教育を進めています。
- 対象:中央省庁、地方自治体、科学技術イノベーション政策関連機関の職員、リサーチ・アドミニストレーター(URA)、企業のイノベーション戦略担当者、将来公共政策に携わることを希望する者など
- ディレクター:林 隆之 教授
- 副ディレクター:隅藏 康一 教授
- 学位:修士(公共政策)/ Master of Public Policy
- 授業で使う言語:日本語
- 募集要項はこちらをご覧ください。
※本コースは、2021年度新規募集コースです。
※在職しながらのパートタイム就学をご希望の場合は、2年制の科学技術イノベーション政策プログラム修士課程 をご検討ください。夜間と土曜日に開講される科目のみで修了に必要な単位の取得が可能です。
在学生・修了生の主な所属先
(2024年4月1日現在)
福島県、埼玉県、静岡県、学校法人慶應義塾
論文タイトル例
- 自治体DXの推進要因及び阻害要因の分析~ AI技術の導入プロセスからの分析~(2023年度)
- 国立大学の統合が及ぼす影響-医学系大学と総合大学の統合についてのDID分析-(2023年度)
- 安全性やリスクに関する科学・行政・市民の相互関係-東京電力福島第一原子力発電所事故における福島県の水産分野を事例とし-(2022年度)
- 医療データバンクの構築と研究開発における有効な利活用 ~医療AI技術の普及と社会還元をめざして~(2021年度)