プログラム概要
国際情勢に通じ、戦略感覚とコミュニケーション能力を備え、組織の国際交渉などで優れた指導力を発揮できる人材を育成する。
- プログラムディレクター:道下 徳成 教授
- ディレクター代理:篠田 邦彦 教授
- 副ディレクター:Matthew Brummer 講師
- 学位:修士(政策研究)/ Master of Policy Studies
- 授業で使う言語:日本語 / 英語
- 開講時間帯:夜間 / 土曜
- 標準修業年限:2年(4月入学)
- 入学時期:4月
- 修了の時期:3月
- 募集要項はこちらをご覧ください
2025年度プログラムパンフレットはこちら→ GRIPS国際的指導力育成プログラム(GLD)2025-2026
~官民問わず、今、求められる真の「外交力」~
激動する世界のなかで、官民を問わず国際場裏で個人としてリーダーシップをとることのできる人材が求められています。現在の世界で日本が、欧米以外で唯一の先進国であり経済大国であるなどといって特別待遇を受けることはありえなくなりました。日本政府の役人であるから、あるいは日本の有力企業の職員であるからというだけで、一目おいてもらえる時代ではありません。
従来型の二国間外交に加えて多国間外交が頻繁に繰り広げられる世界では、これまで以上に国際情勢に通じ、戦略感覚にあふれ、コミュニケーション能力に優れ、敬意をもたれつつ指導力を発揮できる人材が求められています。さらにそのような「外交力」が必要とされるのは、外務省職員にとどまりません。いまやほぼすべての中央省庁、政府関係機関、地方自治体にも同様の人材が必要とされています。
また、民間企業にしても、国際政治情勢が急速に変化するなか「地政学リスク」を的確に判断しつつ、関係企業との交渉、さらには各国政府や国際機関やNGOへの働きかけのできる人材が求められています。日本のメディアもまた世界情勢を日本に伝えるだけでなく、世界に発信することが必要とされています。
~組織の国際交渉を率いる人材の育成~
GRIPSが2020年4月から開講した「国際的指導力育成プログラム」は、まさにこのような人材育成に特化した修士プログラムです。このプログラムの対象は、政府、公共機関、民間企業などの幹部候補職員であり、将来、それぞれの組織のなかで先頭にたって国際関係を担当するであろう方々です。
具体的には各組織ですでに5年程度以上の職歴を持ち若手として組織の実務を引っ張っていく方や、組織の中堅として国際交渉を率いる一歩手前の方などが想定されます。また、メディアや企業において、国際報道や国際業務のグレードアップを図るために体系的な国際関係理解や実践的トレーニングを必要としている方々も本プログラムの対象となります。
基本的に夜間と土曜日に開講される科目の単位を取得し、特定の課題についての研究論文の審査に合格することで修士号の取得が可能となります。
国際的指導力育成プログラムカリキュラム(2024年度予定)
※授業科目は今後変更になる可能性があります。
区 分 | 科目番号 | 科 目 名 | 担当教員 | |
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区分Ⅰ 必修科目 | GLD4000J | 国際関係・外交政策論文演習 | 関係教員 | |
区分Ⅱ 選択必修科目 | GLD1050J | 外交アカデミー Ⅰ | 粗 信仁 | |
GLD1060J | 外交アカデミー Ⅱ | 粗 信仁 | ||
GLD2100J | 国際関係の理論と研究方法 | 田中 明彦 | ||
GLD2410J | 国際経済交渉論 | 篠田 邦彦 | ||
GLD2420J | 経済政策分析 | 川崎 研一 | ||
GLD2500J | 外交戦略論 | 番匠 幸一郎 | ||
GLD2510J | 外交交渉論 | 鶴岡 公二 | ||
GLD2600J | 安全保障論 | 廣中 雅之 | ||
GLD2900E | Principles of Effective Communication | PETCHKO Katerina, et al. |
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GLD3100J | Seminar on International Relations Theories and Research Methods | 田中 明彦、 BRUMMER Matthew |
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GLD3110J | 国際関係・外交シミュレーション | 道下 徳成 | ||
GLD3200J | 国際経済法 | 米谷 三以 | ||
GLD3210J | 国際法と安全保障 | 古谷 健太郎 | ||
GLD3220J | 情報と安全保障 | 道下 徳成 | ||
GLD3900E | Effective Communication for Global Leaders |
PETCHKO Katerina, et al. |
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GLD3910E | Diplomatic Communication | PETCHKO Katerina, et al. |
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区分Ⅲ 選択科目 | MOR1100J | 政策科学のためのデータサイエンスと情報数理Ⅰ | 土谷 隆、 竹之内 高志 |
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MOR2100J | 政策科学のためのデータサイエンスと情報数理Ⅱ | 土谷 隆、 竹之内 高志 |
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上記以外の授業科目(区分Xに属する科目を除く) | ||||
区分Ⅹ その他 | プロフェッショナル・コミュニケーションセンター開講科目 |
外交アカデミー
外交アカデミーは、国際交渉や国際会議で活躍する高度な国際交渉能力と洗練されたコミュニケーション能力を持つ人材を育成するために、2015年から、GRIPSのシンクタンクである政策研究院が開講しているプログラムです。
外交アカデミーでは、著名なスピーチライターである谷口智彦氏ら国際経験の豊富な実業家、学識経験者が講師として実践的な講義を行っています。「国際的指導力育成プログラム」の学生は、「外交アカデミー」を受講することで、学位取得に必要な単位の一部を得ることができます。
専任教員
道下 徳成 政策研究大学院大学 理事・副学長・教授・GLDプログラムディレクター
学位:博士(国際関係学)、ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)
専門分野:安全保障論、日本の安全保障・外交政策、朝鮮半島の安全保障
主な経歴:内閣官房副長官補付参事官補佐、防衛省防衛研究所主任研究官等を経て、2007年本学助教授、2014年~同教授。2024年~アトランティック・カウンシル非常勤シニアフェロー。
担当講義:国際関係・外交シミュレーション、International Security Studies
篠田 邦彦 政策研究大学院大学 教授・GLDプログラムディレクター代理
学位:修士(米国カーネギーメロン大学産業経営大学院(GSIA))
専門分野:通商政策、国際経済政策
主な経歴:通商産業省入省後、APEC室長、資金協力課長、アジア大洋州課長、通商交渉官等を歴任。
また、在フィリピン日本国大使館、海外貿易開発協会バンコク事務所、石油天然ガス・金属鉱物資源機構北京事務所、日中経済協会北京事務所に海外勤務。2019年~本学勤務。
担当講義:国際経済交渉論
PETCHKO, Katerina 政策研究大学院大学 教授、プロフェッショナル・コミュニケーションセンター所長
学位:Ed.D.(テンプル大学)
専門分野:教育学、言語教育
主な経歴:上智大学経済学部非常勤講師
担当講義:Principles of Effective Communication, Effective Communication for Global Leaders, Diplomatic Communication
BRUMMER, Matthew 政策研究大学院大学 講師(テニュア・トラック)・GLDプログラム副ディレクター
学位:Ph.D. (東京大学)、Master of International Affairs (コロンビア大学)
専門分野:科学技術イノベーション政策・外交
主な経歴:経済産業省英語スピーチライター、The Economist アナリスト
担当講義:Seminar on International Relations Theories and Research Methods
講義を担当するスペシャリスト
田中 明彦 国際協力機構(JICA)理事長
学位:Ph.D.、マサチューセッツ工科大学政治学部大学院
専門分野:国際政治学
主な経歴:東京大学東洋文化研究所所長、東京大学理事・副学長、国際協力機構(JICA)理事長等を経て、2017年~2022年本学学長、教授。2022年~国際協力機構(JICA)理事長就任。著書に『新しい「中世」』日本経済新聞社、1996年。『ワード・ポリティクス』筑摩書房、2000年。『アジアのなかの日本』NTT出版、2007年。『ポストモダンの「近代」』中央公論新社、2020年。
担当講義:国際関係の理論と研究方法、Seminar on International Relations Theories and Research Methods
谷口 智彦 内閣官房参与、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授
主な経歴:『 日経ビジネス』勤務経て外務省外務副報道官・広報文化交流部参事官、JR東海常勤顧問など務め2013年2月安倍政権で総理官邸に入り内閣審議官、14年4月以降は内閣官房参与として総理の外交政策スピーチライターを務める。著書に『日本人のための現代史講義』(草思社)、『安倍晋三の真実』(悟空出版)他。BBC、CNN、CNBC、Al Jazeera(英)などニュースライブ出演約250回。
担当講義:スピーチ・メディア対応
番匠 幸一郎 防衛大臣政策参与、政策研究大学院大学 客員教授
主な経歴:第1次イラク復興支援群長、東日本大震災「トモダチ作戦」日米共同調整所長、陸上幕僚副長、陸上自衛隊西部方面総監 陸将
著書に"Japan's New Defense Strategy in the Southwest Islands and Development of Amphibious Operations Capabilities"RAND Corporation,2018年。『核兵器について、本音で話そう』(共著)新潮社、2022年 など。
担当講義:国家戦略論
このほか、川﨑研一(本学教授)、米谷三以(前経済産業省通商政策局通商法務官)、鶴岡 公二(前駐英大使、元TPP首席交渉官)、古谷健太郎(本学連携教授、海上保安大学校教授)の各氏が本プログラムの講義を担当しています。
在学生・修了生の派遣元等 (2024年4月1日現在)
海上保安庁、外務省、経済産業省、公安調査庁、水産庁、東京都庁、内閣府、農林水産省、防衛省・自衛隊、文部科学省、朝日新聞社、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、科学技術振興機構(JST)、クレアブ株式会社、国際協力機構(JICA)、大和フード&アグリ株式会社、デロイトトーマツコンサルティング合同会社、国立国際医療研究センター、日本経済新聞社、日本経済団体連合会、日本貿易振興機構(JETRO)、毎日新聞社、丸紅株式会社、等
出願から就学までのスケジュール (2025年4月入学)
出願期限
2024年10月10日(第1回)、2025年1月9日(第2回)
第1次審査(書類選考)結果通知
2024年11月7日(第1回)、2025年1月31日(第2回)
第2次審査(オンライン面接審査)
2024年11月14日または15日(第1回)、2025年2月6日または7日(第2回)
第2次審査 結果通知
2024年11月7日(第1回)、2025年2月28日(第2回)
就学開始
2025年4月
政策研究大学院大学(GRIPS)の特色
GRIPSの国際的な研究・教育環境
キャンパスは東京都心・六本木に位置し、全学生の約3分の2が留学生という極めて国際的な環境です。英語による科目の履修を通じて、世界各国の政府部門で働くミッドキャリアである留学生達との政策議論に挑戦してください。また、イベント等を通じた学生間の国際交流も積極的に支援しています。このような環境を通じて、修了後のキャリアにおいても貴重な財産となる人的ネットワークを構築してください。
充実した英語サポート
本学に設置されたプロフェッショナル・コミュニケーションセンター(CPC)では、大学院教育に求められる高度なアカデミック英語だけでなく、GRIPS修了後に、プロフェッショナルとして国際的な現場で生かすことのできる実践的な英語のトレーニングなど、英語に関するあらゆるサポートを行っています。プロフェッショナルとして求められる会話、プレゼンテーション、議論、文書作成等に関する英語力を身につけるためのワークショップ、英語で行われる講義を履修したい日本人学生向けのLanguage Support Program for Japanese Students、英語学習の教材の閲覧や、学生同士のコミュニケーションの場として自由に使用できるコミュニケーションラウンジなど、充実したサポート環境を最大限に活用してください。