研修事業
2025.10.29
ベトナム戦略的幹部研修を実施しました
政策研究大学院大学(GRIPS)では、2025年10月20日~10月29日の10日間、ベトナム政府機関及び共産党の局長・副局長級職員16名を対象に、日本の政治・行政の制度運営や行政改革、インフラの発展や環境問題、リーダーシップなどをテーマに短期研修を行いました。
<講義風景>
講義では、本学からは研修責任者の高田寛文副学長(グローバルリーダー育成センター所長)をはじめ、篠田邦彦教授、吉牟田剛教授、家田仁特別教授、高橋一彰教授、谷本英行教授が講師となり、インド太平洋の経済協力、日本の政治・行政の制度・運営や行政改革、グッドガバナンス、政策過程、地方自治制度と中央・地方関係、インフラストラクチャーに関わる日本の経験と諸論点、地球温暖化と脱炭素政策、地域開発における金融の役割について日本政府の実務的な経験を中心に取り上げました。また学外からは立教大学の廣瀬文乃准教授、元復興庁事務次官で市町村アカデミー前学長の岡本全勝氏にご出講いただき、それぞれ異なる視点・手法からリーダーシップについてご講義いただきました。各講義のあとは質疑応答や討議の時間を設け、積極的に質問や議論を行う様子が見られました。講義のほかに、総務省を訪問し、「日本の行政相談制度(オンブズマン機能)」について講演いただきました。
また研修中盤の3日間、群馬県を訪れ、伊勢崎市役所、小金井精機製作所および川場村役場を訪問しました。伊勢崎市役所では、自治体主導の多文化共生政策に関する講義を受けました。また、小金井精機製作所では、ベトナム人社員の雇用と支援に力を入れている事例を通じて、企業における共生の実践について理解を深めました。川場村役場では、世田谷区との協定や道の駅「川場田園プラザ」の運営、森林環境に関する特色ある施策についてお話を伺いました。
各訪問先では、参加者から関心の高いテーマに対して活発な質問が寄せられ、丁寧にご対応いただきました。
自治体や企業のほか、国指定重要文化財である「臨江閣」や世界遺産に登録されている「富岡製糸場」を訪れ、日本文化・伝統的な観光資源の活用について見学しました。温かく迎え入れて下さった皆様、ご協力ありがとうございました。

<伊勢崎市訪問、富岡製糸工場訪問>
最終日には、参加者を代表して団長より講義や訪問を通して印象に残った点などについてご挨拶をいただき、修了式を行いました。
<修了式後、本学正面玄関前にて>
※この研修は、ベトナム共産党中央組織委員会(CCOP)と独立行政法人国際協力機構(JICA)の合意による技術協力プロジェクトの一環として、GRIPSで実施しているものです。

