同窓会

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ALMO 2013.11

 

Rajesh01Rajesh Kumar Khullar (インド)

インド財務省経済局局長

Young Leaders Program (2003年卒業)

 

 

 

 

 

 

 

 

23年以上にわたりインドの行政機関で豊富な経験を有する。現在はインド財務省経済局長として、特に国家レベルの官民連携事業およびインフラ案件を主に担当。ハリヤナ州広報部長、政府系旅行会社Haryana Tourism代表 、ファリダバード市庁代表、グルガオン市庁代表など、行政の要職を歴任。2007年7月から2009年6月においてはファリダバード市庁代表を務める傍ら、ジャワハルラール・ネルー都市再生ミッションにおける環境に優しい交通網や持続可能な都市交通網の向上に尽力し、インド政府より優秀賞を受賞。1984年パンジャブ大学で物理学の修士号取得、2003年GRIPSで公共政策の修士号取得。

 

都市インフラ分野に精通

-これまでのキャリアについて、専門分野やその分野に従事するに至った経緯を教えてください。

GRIPSでの学業を終えてインドに帰国した後、初めにハリヤナ州の学校教育局長を務め、その後農業局長として従事しました。2007年以降は首都圏内で勤務しています。2009年まではデリー南東部のファリダバード市、2009年から2011年はデリー南西部のグルガオン市の市庁代表として市の運営に携わりました。そして2011年からはインド財務省経済局長の任に就いています。こうした経験により、都市インフラ分野に精通するようになりました。

 

経済局長として二国間政府開発援助(ODA)を企画立案

–現在、財務省経済局長に就かれていますが、主な責務や職務について教えてください。

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2013年11月12日、ニューデリーにおいて円借款貸付契約に調印する八木毅駐インド大使とラジェシュ・クッラー財務省経済局長

最初の1年7カ月は、さまざまなインフラ分野や投資案件を管理しました。現在は経済局で二国間協力に尽力しています。この仕事は本質的に4つの責務があります。1つ目は、日本を含む他の主要国とインド間の経済・財政政策の調整を行っています。2つ目は、二国間政府開発援助(ODA)受けるための企画立案を担当しています。我々の主なODAの相手国は、日本、ドイツ、フランス、英国、米国、カナダです。3つ目に、特にアフリカ、アジア、中南米などの発展途上国に対する、インド政府による譲許的融資(無利子融資)の統括をしています。最後に、中央政府および州政府職員全てを対象とした海外研修プログラムの全体的管理も行っています。

 

-現在の立場から見て、今後5年から10年間におけるインドの重要なチャンスと課題は何だと思われますか?

インドにおける今後重要なチャンスは、いわゆる人口ボーナス期にあります。現在人口の50%以上を占めている若年層に、世界水準の教育やスキルを身につけさせ、彼らを活かすことができれば、ここしばらく低迷傾向にある経済成長率を、7%以上で維持するという困難な課題も克服できるはずです。財務省は、7%の持続的な経済成長率を今後10年間にわたり達成し続ける状態を導き出すことに注力しています。

 

悲嘆に暮れる人々を救うことができた時の喜び、世界最大の民主主義国家の経済や社会の成長に貢献できることの喜び

-職務で直面している最大の課題と、これまでのキャリアにおける最大の魅力、もしくは、やりがいについて教えてください。

ある意味、職務で直面している課題は「ない」と言えます。インド行政職(IAS) は、職務で生じるあらゆる課題を克服するための十分な資源を提供しています。そのため、真の課題は、自分の能力の限界という一点に尽きます。やりがいについて言えば、これまでの私のキャリアは、やりがいに満ちています。現地任務で、悲嘆に暮れる人々を救うことができた時の喜びは何物にも代えがたいものです。首都圏における政策レベルの任務では、世界最大の民主主義国家の経済や社会の成長に貢献できることに、喜びを感じています。

 

国家スキームとして採用された新スキームを策定

-インド行政に従事してきた中で、最も誇りに思っている成果は何でしょうか?

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円借款貸付契約調印後、八木毅駐インド大使が見守る中、握手を交わすクッラー財務省経済局局長と江島真也JICA(独立行政法人国際協力機構)インド事務所長

所属していた州政府で、少なくとも3種類の新たなスキームを策定できたことです。そのうちの2つは、現在、国家スキームとして採用されています。ハリヤナ州農業局長として勤務していた頃、近代インドの農業史上で初めて、同州が小麦の生産量で国内首位に輝きました。小麦の生産を歴史的に主導してきたパンジャブ州を追い抜いたのです。その後5年にわたり、ハリヤナ州が首位の座を維持したことに誇りを感じています。

 

日本は東洋と西洋の強みを一番上手く引き出している国

-なぜGRIPSを選択されたのでしょうか?GRIPSで学ぶ中で得た最も重要なことと、GRIPSで培った経験を今後の取り組みにどう活かすかについて教えてください。

日本は東洋と西洋の強みを一番上手く出している国であると確信していました。これが国外の教育機関の中から長期研修先としてGRIPSを選んだ一番の理由です。GRIPSで習得した国際政治学や国際経済学の知識は、これまでも、そしてこれからも大いに役立つと感じています。

 

-GRIPSでの一番の思い出は何でしょうか?また、日本を懐かしく思うことがあれば教えてください。

難しい質問ですね。大切な良い思い出が多すぎて、1つだけ選ぶことなどできません。GRIPSでも、お台場のTokyo Academic Park(国際研究交流大学村)でも、非常に有意義な時間を過ごすことができました。実を言うと、地域の幼稚園に通わせていた私の子供たちも、日本での日々を懐かしがっています。GRIPSに留学する以前も以後も世界中を飛び回っていますが、日本は東洋と西洋の強みが一番よく生かされている国であるというのは、私が一貫して明言できることです。

 

 

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