政策研究大学院大学では平成29年4月10日から19日までの10日間、ベトナム共産党中央委員会組織人事部からの要請を受けて「ベトナム共産党副大臣級幹部研修」を実施しました。本研修は、今回が6回目となります。ベトナム側で選抜された共産党副大臣級幹部等19名を対象に、政策決定機能の強化、リーダーシップ、マネジメントスキルを主テーマに講義や訪問を行いました。

講義では、研修責任者の堀江正弘教授（本学特別教授、グローバルリーダー育成センター所長）をはじめ、白石隆名誉教授、園部哲史副学長、有本建男教授、森地茂アカデミックフェロー（名誉教授）、徳地秀士氏（政策研究院シニアフェロー）、Tran Van Tho氏（早稲田大学教授）が講師となり、日越戦略関係、日本の現代化と発展戦略、日本の科学技術政策、日本の交通政策、日本の安全保障政策、日本の政治システムや公務員制度、政策決定・執行・評価、日本の行政改革、リーダーシップの在り方について学ぶ機会を提供しました。ベトナムで要職に就く研修生からも、活発な質問や意見が出される場面が見られました。

講義のほかには、訪問先の協力も得て、都内視察や地方訪問を実施しました。都内では、日本銀行を訪問して日本の経済・金融システムについて学んだだけでなく、日本銀行の貨幣博物館と重要文化財にも指定されている日本銀行本店の建物を見学し、その威容に感嘆した様子でした。

また、総務省を訪問し、笹島総務審議官に表敬したのち、行政評価局から評価監視と行政相談について、行政管理局から行政不服審査に関する講義を受けました。いくつかの実例を交えた説明がなされ、「国民の声に耳を傾け、より質の高い行政を目指す」という同省の取り組みに対し、多くの質問が出されました。

地方訪問では愛媛県を訪れ、JETRO愛媛貿易情報センターのご協力のもと、愛媛県庁、松山商工会議所、今治タオル工業組合、今治造船株式会社を訪問させて頂きました。県庁では、上甲俊史副知事を表敬訪問し、愛媛県の産業全体について説明を受けました。商店街や造船ドック、今治タオルLABなど各所でも現地を視察しそれぞれの取組みについて説明を受け、手厚い歓迎を受けました。また、桜をまだ少し残した松山城や歴史ある道後温泉を訪れるなど、日本の様々な側面を知る機会にもなったようです。

最終日、研修生は充実した10日間を振り返り、修了証書を手に帰国しました。