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2023.3.9

水と災害に関するハイレベルシンポジウムを開催

20230309-0135_12023年2月18日、第9回洪水管理国際会議(ICFM9)開催記念「水と災害に関するハイレベルシンポジウム”ポストコロナ時代の水循環管理”」を開催しました。
洪水管理国際会議(ICFM : The International Conference on Flood Management ICFM)は三年に一度開催されるもので、洪水問題に取り組む世界中のステークホルダーが一堂に会し、互いに議論する重要な機会であり、その第9回会合が2023年2月につくば市で開催されました。これを記念して開催した今回のハイレベルシンポジウムは、政治家、政府、研究機関、市民団体やその他関係するあらゆるステークホルダーが議論を行うことで、その経験や知識を共有し、国連をはじめとする国際社会における国や地域レベルでの水問題の解決に向けた行動のための約束を再確認することを目的としており、40の国と地域からおよそ250人が参加しました。このシンポジウムの午前の部1には天皇陛下も御臨席になり、陛下は終始うなずかれながら熱心に聴講されていました。

 

午前の部では、水と災害に関するハイレベルパネル(HELP)ハン・スンス議長・韓国元国務総理、本学の大田弘子学長、李军华(Li Junhua)国連事務次長(経済社会局長)の挨拶に続き、チャバ・コロシ国連総会議長やペッテリ・ターラス世界気象機関(WMO)事務局長らが水と災害に関する基調講演を行いました。

 

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ハン・スンスHELP議長による主催者代表挨拶

 

コロシ総会議長は、世界では18億人が洪水のリスクにさられており、独創的でかつ決意を持った形で取り組んでいかなければいけない課題であるとし、科学技術に裏付けられた解決が必要とされていると訴えました。また、水に関連するSDG6の策定から8年目を迎え、気候変動による影響で発生する渇水や洪水といった問題が水と衛生へのアクセスに与える影響が明確でなかった当時とは状況が変わってきており、災害リスク管理という観点から、洪水管理や土地利用などに取り組むことがSDG6の達成にとっても重要であると述べました。

 

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コロシ国連総会議長による基調講演

 

ターラス事務局長は、気候変動をめぐる世界的動向や昨年のCOP27で発表されたWMOと国連防災機関(UNDRR)が主導する国連行動計画「すべての人に早期警報システムを」について紹介しました。計画は今後5年間に早期警報システムを全世界に導入するという目標の達成を目指しますが、アフリカ諸国などでは約半数の国でしか整備されていないという現状に触れ、更なる取り組みが必要であると強調しました。このほか、アルゼンチンやインドネシアにおける水管理の歴史なども発表されました。

 

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ターラスWMO事務局長による基調講演

 

午後の部では、本学の廣木謙三教授(HELPコーディネーター)がモデレーターを務めるハイレベルパネル”ポストコロナ時代の統合洪水管理”が行われ、ヨハネス・クルマン第77回国連総会議長室SDGs担当局長、小池俊雄水災害・リスクマネジメント国際センター(ICHARM)センター長らがパネリストとして議論を行いました。パネルディスカッションでは各パネリストが「それぞれの機関が国連2023水会議に向けて水と災害・洪水管理という分野でどのような行動を実施しているか」、「国連2023水会議はその行動を促進するためにどのような機会を創出するか」、「水、災害リスク管理、気候変動の三つの分野の連携を強化するためにどのような行動を実施しているか」という観点からプレゼンテーションを行った後、「水と災害問題の関係者としては国連2023水会議にどのようなメッセージを発表していくべきか」、「水と災害問題の関係者は国連2023水会議でどのような行動に関する約束をするべきか」という問いにそれぞれが答える形で、議論が行われました。

 

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ハイレベルパネルでの議論

 

本シンポジウムの議論の結果は、水循環・洪水対策関係者からの共同メッセージとして取りまとめられ、国連2023年水会議に向けたプロセス及びその後の活動に活用されます。 

 

>当日の議事次第はこちら

 

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