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2019.8.30

[DIIセミナー] 「アフリカのデジタル農業の動向-TICADでの議論を踏まえて」を開催

*Disruptive Inclusive Innovation (DII) セミナーシリーズは、持続可能な開発目標(SDGs)を達成するためのイノベーションのあり方について、民間、公的機関、学術界で新しいアイディアを共有できる場となることを目指しています。

 

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2019年8月30日、本学SciREXセンター(科学技術イノベーション政策研究センター)による破壊的・インクルーシブ・イノベーション・セミナー(DIIセミナー*)シリーズの第1回、「アフリカのデジタル農業の動向-TICADでの議論を踏まえて」を開催しました。

 

今回は、第7回アフリカ開発会議(TICAD7)のために来日されたアフリカ開発銀行のケミ・アフン オギダン氏(プリンシパル・アグリビジネス・オフィサー)と戸田敦子氏(農業金融・農村開発局長)を登壇者としてお招きし、ディスカッサントとして安原学氏(農林水産省大臣官房国際部海外投資・協力グループ 上席国際交渉官)にもお話しいただきました。会場には行政・民間・ベンチャー企業・市民社会など各セクターから総勢70名の来場者が訪れ、活発な議論が行われました。

 

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冒頭、本学の飯塚倫子教授が、「破壊的なイノベーション(新たな技術革新によって、既存製品よりも高機能、低価格、小型化、ユーザビリティの高さを実現させるイノベーション)」と「インクルーシブ・イノベーション(それまでイノベーションの対象・従事者でなかった人々を内包し、生活の質を向上させるイノベーション)」の両要素を併せ持つ、「破壊的・インクルーシブ・イノベーション」を起こすメカニズムについて議論したいと挨拶してセミナーが開幕。ケミ・アフン オギダン氏と戸田敦子氏が、アフリカにおける農業セクターの現状と今後、アフリカ開発銀行が現在行っている開発プロジェクトの概要、アフリカにおけるデジタル農業の動向について解説し、「アフリカは急速にデジタル化しており、新たなビジネスを起こす土壌ができている。どのように差別化を図り、パートナーシップを構築していくかが重要なポイントである」と語りました。

 

続いて安原学氏が日本の民間セクターと公共セクターのパートナーシップの取組例として、今回のTICAD7をきっかけに日本企業、関係省庁・政府関係機関、国際機関から構成・設立された「アフリカビジネス協議会」のアフリカ農業ワーキンググループがまとめた「アフリカ農業イノベーション・プラットフォーム構想」を紹介。3年後のTICAD8に向けて成果を上げていきたいと述べました。

 

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これらを受けて行われた参加者を交えたディスカッションでは、農業に従事している女性の社会的地位の向上、現地の人々の生活感に寄り添うことの重要性、水・エネルギー・モビリティ・ジェンダーなど複数の要素が絡んでいる課題にどのように対応すれば良いか、などについて熱く議論が交わされました。また、本学から参加していたケニヤの学生からは、「紹介された内容はイノベーションの規模が非常に大きいと感じるが、現地の農業従事者が抱える身近な問題にどう応えられるのか」という問いが寄せられ、それに対しては、ナイジェリアで導入されたウーバー型サービスによるトラクターによってトラクター盗難の心配がなくなったという話を例に、破壊的・インクルーシブ・イノベーションとは、これまで存在しなかった文脈での課題解決であり、そのような仕組みを皆で考えていきたいとして、参加者間の交流に期待を残しました。

 

本セミナーシリーズは、今年度中、異なるテーマで残り4回の開催を予定しています。

 

DSC_4390_1(左から)飯塚倫子教授、ケミ・アフン オギダン氏、田中明彦学長、戸田敦子氏

  

 

当日の資料はこちらからご覧いただけます。

 

 

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