研修事業
2025.4.23
ベトナム戦略的幹部研修を実施しました
政策研究大学院大学(GRIPS)では、2025年4月14日~4月23日の10日間、ベトナム地方省の局長・次長級および郡幹部級19名を対象に、日本の地方自治制度や公務員制度、行政改革、リーダーシップなどをテーマに短期研修を行いました。
講義では、本学からは研修責任者の高田寛文副学長(グローバルリーダー育成センター所長)をはじめ、横道清孝名誉教授、高橋一彰教授、篠田邦彦教授が講師となり、また学外からは立教大学の廣瀬文乃准教授、元復興庁事務次官で市町村アカデミー学長の岡本全勝氏にご出講いただいて、日本の地方自治制度・地方分権・人口問題・地方税財政制度、公務員の人事制度・人事評価、地方公務員制度、行政改革と公正な行政運営、地球温暖化と脱炭素政策、インド太平洋の国際秩序安定と国際協力およびリーダーシップについて、日本政府の実務的な経験を中心に取り上げました。各講義のあとは質疑応答や討議の時間を設け、積極的に質問や議論を行う様子が見られました。ベトナムでは現在、大規模な行政改革が進められており、とりわけ日本における行政改革については高い関心が寄せられました。講義のほかに、総務省を訪問し、「日本国における自治体DXの現状と総務省の取組」について講演いただきました。
また研修中盤の3日間、栃木県を訪れました。県内では、栃木県庁、宇都宮市役所、ひざつき製菓株式会社を訪問しました。栃木県庁では地方自治体における人事制度と財政状況について講義を受け、地方省の幹部である参加者にとって関心のある話題も多く、活発な意見交換がなされました。宇都宮市役所では地方自治体におけるDX化とLRT(次世代型路面電車システム)事業について講義を受けた後、実際にLRTに乗車しながらさらに詳しい話を伺いました。また、ひざつき製菓株式会社では、ベトナム出身社員の方々との懇親の場をご用意いただきました。その他、若山農場「若竹の杜」、日光東照宮も見学し、竹林の観光産業への利活用の取り組みや、日本文化・伝統的な観光資源の活用について実際に見ることができました。温かく迎え入れて下さった皆様、ご協力ありがとうございました。
最終日には、参加者を代表して団長より講義や訪問を通して印象に残った点などについてご挨拶をいただき、修了式を行いました。
※この研修は、ベトナム共産党中央組織委員会(CCOP)と独立行政法人国際協力機構(JICA)の合意による技術協力プロジェクトの一環として、GRIPSで実施しているものです。