研修事業

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2025.3.14

JIMS2025研修を実施しました

政策研究大学院大学(GRIPS)は、2025年3月10日~3月14日までの5日間、国際通貨基金アジア太平洋地域事務所(IMF-OAP)と共同で、第13回「Japan-IMF Macroeconomic Seminar for Asia (JIMS) 2025」を実施しました。この研修は、アジア太平洋地域諸国におけるマクロ経済政策の策定と実行を担当する幹部職員を対象とした、OAPによる重要な技術支援プログラムです。

第13回JIMSのテーマは「分断された世界におけるマクロ経済政策運営」。このテーマは、地政学的緊張の高まり、国家安全保障上の懸念、そしてパンデミック後の世界経済統合を損なう内向き政策への転換、といった様々な課題を反映しています。JIMS 2025には、19カ国の中央銀行・財務省・その他の政府機関から、30名の政府高官が参加しました。

5日間にわたるセミナーでは、世界経済の見通し、日本と米国の金融政策の転換とアジア新興国への影響、10年にわたるデフレ脱却に向けた日本の質的・量的緩和の実績、為替レート管理、証拠に基づく政策立案(EBPM)、地政学的緊張やパンデミックに対するグローバルバリューチェーン(GVC)の耐久性強化、そして産業政策の復活など、様々なトピックについて著名な講演者による講義と議論が行われました。

加えて、セミナーでは2回のラウンドテーブル・ディスカッションを実施し、1つは「公的債務の急増への対応戦略」、もう1つは「動乱の時代における新興アジア諸国のマクロ経済政策」に焦点を当て討論を行いました。これらのセッションでは、参加者同士がインフレ抑制、財政安定の維持、そして持続的な経済成長の達成に向けた金融政策と財政政策の実施に関する知見・経験を共有しました。

また、プログラムの一環として日本銀行を訪問し、日本銀行の担当者との議論を通じて、日本のマクロ経済状況と金融政策の進化に関する理解を深めました。

JIMS 2025では、IMFアジア太平洋地域事務所(OAP)、野村資本市場研究所、一橋大学、慶応義塾大学、経済産業研究所(RIETI)、早稲田大学、関西学院大学、そして政策研究大学院大学(GRIPS)から、著名な講師が登壇しました。講演においては、世界経済の課題と展望に関する洞察に富んだ意見が発表され、地政学的緊張、国家安全保障上の懸念、内向きの産業政策、そして貿易規制といった、今日におけるマクロ経済政策立案に必要な知識とスキルを参加者に提供しました。

そして今回のJIMS 2025のハイライトは、ゲストスピーカーとして黒田東彦前日本銀行総裁をお迎えした特別セッションでした。参加者は、黒田氏が日本銀行在任中に実施した主要政策について自ら語るのを聴講するという、貴重な機会を得ました。

JIMS 2025 は非常に魅力的で影響力のあるセミナーとして、政策立案者と金融専門家の間の対話を促進しながら、重要なマクロ経済問題に対する参加者の理解を深め、全プログラムを終了しました。

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