2023年7月10日（月）にGRIPSフォーラムを開催致しました。今回のGRIPSフォーラムでは、黒田東彦氏（第31代日本銀行総裁、政策研究大学院大学特任教授、政策研究院シニア・フェロー）をお招きし、『アジア経済と日本』という演題でご講演いただきました。

概要：

日本の高度経済成長は、米国への輸出の増加に支えられていたが、その後、1970～80年代に円高が進む下でアジアへの直接投資が増加し、アジア経済が日本の最大の輸出・輸入相手になった。この間、アジア経済は、当初はNIES、次いでASEAN諸国、そして中国が発展を遂げていった。だが、こうした調和的なアジア経済と日本の関係は、1990年代の日本のバブル崩壊やアジア通貨危機によって崩れ、中国がアジア経済のリーダーになったのである。その下で、日本は中国経済との結びつきを深めていった。

講演者：黒田　東彦 氏　（第31代日本銀行総裁、政策研究大学院大学特任教授、政策研究院シニア・フェロー）

講演者略歴

1967年に東京大学法学部卒業、大蔵省入省、1971年にオックスフォード大学経済学修士、その後、主税局、国際金融局などを経て、1999年に財務官に就任。2003年に財務省を退官して、内閣官房参与兼一橋大学大学院経済学研究科教授、2005年にアジア開発銀行総裁、2013年に日本銀行総裁に就任。2023年に日本銀行を退任してGRIPS特任教授、政策研究院シニア・フェローに就任。

＜GRIPSフォーラムとは＞
政策研究大学院大学（GRIPS）は1997年の建学以来、重要な政策課題についての研究・教育を進めてきております。GRIPSフォーラムは、本学がもつ国内外のネットワークを活用し、政府、自治体、学界、産業界などから専門家を招いて多様な課題について議論することを通じ、政策研究の発展や政策コミュニティの形成に寄与することを目的としています。