GRIPS 政策研究センター Policy Research Center

客員研究員

2014/4/1 ~ 2016/3/31

港湾経営におけるガバナンス構造の比較分析

研究代表者

港湾は、伝統的に道路など他の交通インフラと同様に国や地方の行政部門が管理、運営を実施してきた。しかし上述した物流システムの構造変化に対応し広範なロジスティクス戦略を展開するため、先進諸国の港湾は多様な民営化とくに公企業化に踏み切っている。確かに政治や行政から独立した港湾は企業経営に近い効率性を志向するものの、地域の主体性を港湾経営にどのように反映させていくか、そのガバナンスの構造が新たな課題となっている。                             

 折しも、わが国では2011年の港湾法改正により、国が京浜港と阪神港を国際コンテナ戦略港湾に指定し、2014年には阪神港に民間資本も参画した港湾運営会社が設立され、京浜港も設立に向けて準備を進めている。また港湾運営会社に国が直接出資するための法改正もなされた。

本研究は、科研費による港湾経営のガバナンス構造に関する詳細な研究を目指して、まず世界の主要港湾における実態の概括的な把握、分析手法の試行的な開発を目的とするものである。具体的には、世界の主要港湾について港湾組織の自立性と中央・地方政府の関与の関係を、文献調査や実態調査により比較分析する。とくに港湾経営のガバナンス構造を規定する主要因子の抽出、その組み合わせのパターンや特性の評価を進めるとともに、わが国の構造的な特徴と問題点を考察し、改善に向けた示唆を行う。