GRIPS 政策研究センター Policy Research Center

客員研究員

2013年8月12日 Report No:13-16

産業連関表の推定誤差と応用一般均衡分析における予測誤差

著者
分野 経済学
言語 日本語
要旨

3つの年次について統一的に作成された接続産業連関表を用いて、古い年次の産業連関表を部分的に新しいデータに差し替えて更新した場合の産業連関表の推定 誤差と、それによって生じる応用一般均衡分析の予測誤差を計測する。通常は比較対象とするべき真の新しい年次の産業連関表が存在しない(からこそ更新作業 が必要になる)が、ここでは接続産業連関表の2005年表を基準に比較を行う。その結果、より新しい年次の産業連関表をもとにして、より多くのデータを用 いて推定した場合に推定誤差が小さくなるだけでなく、同時に、応用一般均衡分析の予測誤差もまた小さくなることがわかった。推定誤差の大きい産業連関表を 用いるとその予測誤差も量的に大きくなるものの、質的には正しい予測結果をもたらすことも明らかにされた。推定手法については、最小自乗法とクロス・エン トロピー法の間で比較を行ない、マクロ・レベルのデータのみしか推定に用いることができない状況下で後者のパフォーマンスがよいが、推定手法・誤差とシ ミュレーションにおける予測誤差との間の関係は一概には言えないことが明らかにされた。

キーワード 産業連関表; 応用一般均衡分析; ノンサーベイ法; クロス・エントロピー法;
添付ファイル 13-16.pdf