GRIPS 政策研究センター Policy Research Center

客員研究員

2012/10/2 Report No:12-11

原子力発電所の脱落の影響と代替電源導入の効果—9地域電力市場モデルによる分析

著者
分野 経済学
言語 日本語
要旨

東日本大震災後、原子力発電所の稼働の是非が問われている。本研究では、9地域電力空間均衡モデルを用いて、(1)原子力発電所がすべて脱落した場合と、その上で(2)脱落したものと同じだけの出力を持つガスタービン複合火力発電所が代替電源として導入された場合をシミュレートする。原子力発電が一切利用できなくなった場合には、電力価格が1.5–3円/kWh程度上昇する。代替電源の導入は、ガスタービン複合火力が経済的な昼間時間帯を中心に電力価格の上昇を0.5–1.5円/kWh程度にまで抑制する。ただし、これらの効果は地域の原子力発電への依存度等によって異なる。原子力発電所の停止以前には、夜間に余剰になる原子力発電を中心としたベース電源による発電電力を用いた地域間送電があったものが、原子力発電所の脱落によってこれが減少して、地域間送電網の混雑は減少する。各地域における代替電源の導入は地域間の発電技術の差を縮小させて、地域間送電をさらに減少させ、ほとんど地域間送電網の混雑は発生しなくなる。

キーワード 東日本大震災, 原子力発電所, 電力価格, 地域間送電
添付ファイル 12-11.pdf