GRIPS 政策研究センター Policy Research Center

客員研究員

2009/7/1 Report No:09-07

自動車横滑り防止装置の費用便益分析

著者
分野 経済学
言語 英語
要旨

本稿では、自動車横滑り防止装置(ESC)がもたらす交通事故低減に伴う便益と、その装備費用について、わが国の乗用車に焦点を当てて費用便益分析を行った。
2007 年におけるESC の普及率は約4.7%であり、普及率がゼロ%であったと仮定した場合と比較して、16 人の死者、91 人の重傷者、523 人の軽傷者を低減していたと推計された。そのことによる便益は約101 億円、ESC 装備にかかる総費用は約44 億円であり、費用便益比は2.3 であると推計された。
2014 年からのESC 標準装備を完全義務化した場合は、義務化しない場合と比較して、2011 年から2014 年の4 年間で、64 人の死者、519 人の重傷者、2,981 人の軽傷者を低減できる可能性がある。義務化による純便益は4 年間で合計約57 億円、費用便益比は1.2 と推計された。
交通事故の状況等が異なるので、欧米の事例に比べると費用便益比は小さいが、2007 年における費用便益比は2 以上であると推計されたので、これまでのESC の普及は社会的に望ましいものであったと考えられる。

添付ファイル 09-07.pdf