ディレクターメッセージMessage from the Director

 

髙橋和志

21世紀の世界は、人類に対して希望の持てる機会を数多くもたらす一方で、破局的な困難を与えうるような不確実性やリスクも数多く突きつけています。新興国の経済的台頭は、世界経済を牽引する重要な要因であると同時に、国内経済格差を拡大し、対外的には領土問題やエネルギー資源、環境問題などで周辺諸国や先進国、途上国との間の深刻な利害対立を生み出してきました。また、グローバル化の進展により、世界の相互依存が深まった結果、ある国で生じた出来事や危機が世界全体に及ぼす影響は、かつてないほど大きくなっています。

このような危機や利害対立を克服するためには、(1)問題の根源にあるものを正しく認識し、様々な角度から検討することで本質を見抜く課題分析能力、(2)個々の課題に実効性ある処方箋と将来のビジョンを明確に示し、実行することのできるリーダーシップ、(3)さらには自己の見解を言語や文化、歴史、宗教、民族、国籍などの違いを越えてより多くの人に分かりやすく伝えることができるコミュニケーション能力を兼ね備えた人材が不可欠です。

本プログラムは、こうした大きな変化と不確実性に直面している世の中にあって、新しい世界秩序・地域秩序の形成に参画する意思と能力を併せ持った、各界で指導的な役割を果たしうるリーダーの中のリーダー(トップリーダー)を育成することを目的としています。国家の政治・行政に関わる人物だけでなく、世界を舞台に事業を展開する企業の経営人材、メディア人材など、様々な分野のミッドキャリアのリーダー候補生が主な対象となります。

入学後のコースワークでは政治、経済、歴史などの授業を集中的に履修し、博士としてふさわしい高度な専門知識と分析スキルを身に付けることが求められます。論文資格審査通過後は学位論文を作成するための調査、分析、執筆に専念し、学位の取得を目指します。少人数で集中的議論を行うチュートリアルを通じて、本学位プログラムで身につけるべき課題分析能力、リーダーシップ、コミュニケーション能力、さらにはトップリーダーとなる際に重要な大局観の涵養を目指すこともプログラムの特色です。

強い意志と冷静な判断力、そして優しい心を持ち合わせた次世代のリーダーを目指す学生を歓迎します。