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教員からのメッセージMessage

 

学長

学長メッセージ

学長 田中明彦

21世紀の世界は、人類に対して希望の持てる機会を数多くもたらす一方で、場合によっては破局的な困難を与えうるような不確実性やリスクもまた数多く突きつけています。ミレニアム開発目標(MDGs)の多くが達成され、極度の貧困に苦しむ人口が減少したことは、世界にとって喜ばしいことですが、2015年に合意された持続可能な開発目標(SDGs)の達成はそれほど容易なことではありません。さらに、国内の政治状況が激変する国もあり、世界政治が流動化する可能性も否定できません。地政学的対立、大量破壊兵器の拡散、テロリズムの増加、脆弱性脱却の困難、中所得国の罠、法の支配に基づく民主政治の実現など困難な政策課題は山積しています。

このような課題を乗り越えていくための政策研究を行ない、これらの研究をベースにして次世代の指導者のための大学院教育を行うことがGRIPSの使命です。そして、G-cubeはこの使命を果たすために特に丁寧に作られたプログラムです。
G-cubeは、技術的知識だけでなく歴史的知識に裏打ちされた大局観を育みます。
G-cubeは、容易に答えの見いだせない課題に取り組めるよう学生の想像力と創造力を伸ばします。私たちとともに、この知的で実践的な取り組みに参加してください。

髙橋和志

髙橋和志

プログラムディレクター、教授

このプログラムは、将来、国際的な場で指導的な役割を果たす学生を育成することを目標にしています。リーダーとなるには、現状を正しく理解する分析能力やそれを支える深い専門的知識に加え、望ましい未来を見定めるための大局的視点、高いレベルのコミュニケーション能力や交渉能力など、様々なスキルが求められます。G-Cubeでは、こうした能力を養成するための新しい試みが満載です。強い意志と冷静な判断力、そして優しい心を持った次世代のリーダーを目指す学生を歓迎します。

恒川惠市

恒川惠市

ディレクター代理、客員教授

今日の世界は大きな不確実性に満ちています。中国など新興国の台頭と先進工業国の衰退は、国家間の深刻な摩擦と国内での外国人排斥の動きを強めさせています。気候変動は、乾燥地帯では容易に消火できない森林火災を、他の地域では異常な降雨による深刻な洪水を引き起こしています。さらに、これも気候変動の影響を疑われる砂漠バッタの大量発生や、新型コロナウィルス汚染の広がりが、世界中の人々の生命と生活を脅かしています。国家間であろうと国内であろうと、既存の制度や仕組みは、こういった前例のない問題に対して、有効に対応することができていません。私たちは、現代の不確実性に立ち向かうべく、新しい創造的なメカニズムを探すという課題に直面しているのです。これこそが、G-Cubeの学生が、未来の世界をリードする者として引き受けことを期待される仕事なのです。

木島陽子

木島陽子

副ディレクター、副学長、教授

このプログラムには世界中から様々なバックグラウンドをもつ学生が集まっています。少人数によるインテンシブなカリキュラムにより、学生間・学生教員間の距離が近く、活発な議論を通して、自国の政策課題を大局的かつ深く理解するために最適な環境になっています。実務経験に裏打ちされた問題意識と、このプログラムにより習得される分析スキルを使い、学生は新たな研究課題に挑戦しています。

高木佑輔

高木佑輔

副ディレクター、准教授

G-cubeは前に向かおうとする刺激にあふれたプログラムです。ほとんどの学生が、一定の実務経験を有しており、修了後はそれぞれの国や地域の将来を背負う人たちです。アジアやアフリカ諸国から来た学生たちは、自然とそれぞれの国や地域を代表するような意識を持ち、お互いに切磋琢磨しています。他方、プログラムでしばしば行うグループワークでは、チームとして行動することの楽しさや可能性を実感できます。多様でやる気に満ちた学生たちに向き合いながら、われわれ教員もさらなる教育や研究の質の向上に向けて日夜努力しています。新しい学生さんとの出会いを楽しみにしております。