16. ゲテモノ料理との境界線は

私は決して味にうるさいほうではないが、基本的にゲテモノ料理は食べない。ここらで多いのは、蛇、ワニなどか。また、爬虫類ではないが、孵る直前のヒヨコなどもあるが、やはり私は食べられない。人によってはカエルもこの手の料理に入るのかもしれないが、これはマレーシア時代に普通に食べていたのであまり違和感がない。すっぽん鍋なんかもあるが、その前に胆液や血のお酒を飲まされるのは厳しい。お酒といえば、さそりやコブラが入ったお酒もよく見かける。さらには、熊が丸ごとでかい透明の樽につかっているお酒なんかも・・・。 

ベトナムで有名なのは、犬肉であろうか。ハノイを含む北部では犬肉は滋養強壮によいとされ、月に一度犬肉を食べに行く人もいる。市場なんかでも普通に犬の丸焼きが見かけられる。が、もちろん犬肉を嫌いなベトナム人も多い。一度犬肉を食べると犬にほえられる(においで分かる?)という話や、犬肉の解体や販売は不幸を呼ぶという噂もある。ちなみに、先日犬をペットとして飼おうとしていた国連の同僚がいたが、彼が“Dog Breeder”でネット検索したら、そのほとんどは犬肉業者だったそうな(本当かなー)。誤解を招きそうなので書いておきたいが、もちろん犬をペットとして飼っているベトナム人も普通に多い。少し前は飼い犬が連れ去られて肉にされてしまう事件も多かったようだが・・・。

 
(写真 ホイアンの街角にて―絵の前でくつろぐ犬) 

ここまで書くと、「そんなもの食べているなんて・・・」と皆様思うだろうし、まあそれはそうなのだけれども、ゲテモノ料理とまともな料理の境界線もそんなにはっきりしたものではない。豚肉はイスラム教にとってはゲテモノだし、鯨を食べる日本人も一部の欧米人にとっては野蛮人。日本の某地方ではイルカの肉を食べることを知ったら彼らは卒倒するだろう。我々が普通に食するものでも考えると不気味なものも多い。タコも悪魔の化身といわれることもある。私たちはほとんど抵抗ないけど、やはり最初に食べてみた人には敬意を表したい。きのこ類も、毒のあるものとそれ以外のものは誰が見分けたのやら。ドリアンやジャックフルーツも、よく中身をほじくってみようと思ったなぁ。動物が食べてるのをみて大丈夫だと思ったのかな?もしくは、罰ゲームとかで食べされられたのが最初だったりして。 

ともあれ、大事なのは、清潔なものを食べることと、嫌な人には押し付けないことと、感謝しつつ食べることであろうか。でも私は納豆や梅干などを無理やり外国人に食べさせるのが大好きです(笑)。

20082月)

 Menu