1. ベトナム結婚狂想曲

どこの国でも結婚するのは大変なようだ。去る7月25日には事務所のメンバーの友人の結婚式に参加させてもらった。日本の場合は、結婚式→披露宴というパターンだが、こちらの場合はまず披露宴を行うようだ。そしてその翌日に結婚式。披露宴に誰を呼ぶかは悩ましい所だが、血縁を大事にするベトナムは日本以上に悩ましいようだ。誰かを呼ぶと、芋づる式に増えていくようで、1000人を超える披露宴も珍しくないらしい。

一人親戚を呼ぶと、「なんであの人は呼んで私は呼ばないのかしら」という噂が広がるのを恐れてトコトン呼んでしまうらしい。しまいには、顔を見たことも無い人も呼ばねばならないらしい。呼ばれたほうも呼ばれたほうで、ホテルで2、3件披露宴をやっていると、間違えて他人の披露宴に出席してしまうケースも多いらしい(ある統計によると5%)。私が出席したのは中級の家庭だと 思うが、それでも400人呼んだらしいので、少しお金があれば1000人呼ぶのもうなずける。因みに、近年政府は政府関係機関の職員に対して、大規模披露宴を行わないように通達を出したらしい。お祝い金として莫大なお金のやり取りをする場合があり、問題になったのが理由とか。

さて、結婚式はというと、まずは新郎一家が新婦の家を訪れ、新婦一家に挨拶をする。その際、様々な贈り物を持参する(まれに、贈り物が足らないとして、破談になるケースもあるらしい)。そして、新婦のご先祖に挨拶をして、許しを得る。因みに先祖が反対をする場合があるのかどうかは定かではない。

話し合いをする際、新郎は家長の後ろに座り、新婦は別の部屋にいる。そして、話がついた時点で、新郎が別の部屋にいる新婦を迎えに行く。あとはお決まりの写真撮影会を経て、新郎一家が新婦を連れて新郎の家へ帰る。その際、車にはでっかいリボンがついている。さて、新婦の両親は新郎の家には付いて行かない。祭りの後みたいで、なんとなく侘しそうである。ただ、2日新郎の家で過ごした後、新婦は一度実家に戻るらしいので、まだ救われる。

そうそう、新婦の衣装はウエディングドレスであった。美しきアオザイを期待した私は多少がっかりしたが、新郎がスーツなのだからドレスもうなづける。アオザイは既に披露宴で着たとの事でした。

いやいや、どこの国でも結婚式は大変なことである。
(2004年夏)

 

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