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リサーチ・プロジェクト

2015/4/1 ~ 2017/3/31

社会システムの安全性・効率性・頑健性に基く政策分析に関するGRIPS-IIS共同研究

研究代表者

政策研究大学院大学(GRIPS)と東京大学生産技術研究所(IIS)は、2008年度から現在に至るまで、戦時中に創設された東京大学第二工学部の事績にかかわる共同調査を東京大学第二工学部出版プロジェクトとして実施し、二工卒業生との懇談会、インタビューを通じて、今後の各種の学術研究の基礎となりうる貴重な資料を整備することができた。これらの研究成果は学術著書「東京大学第二工学部の光芒-現代高等教育への示唆」(東京大学出版会)として2014年3月に刊行された。両機関は上記共同プロジェクトに加えて防災政策、危機管理対応策、エネルギー政策、人材育成、技術革新、社会開発にかかわる各種政策課題について共通の関心が存在することから、これまで科研費課題研究、本学政策研究センター共同プロジェクトなど多くの共同研究を行なってきている。

※本プロジェクトでは、これまでの両機関の各種の研究協力による成果を踏まえつつ、以下の大きく3種類の研究課題の下に共同研究を実施する予定である。

 

1. わが国社会システムの安全性向上を目指した危機管理、都市防災、社会基盤整備等を目的とする公共政策、制度の在り方に関する戦略的政策分析

2. エネルギー、環境等に関する技術イノベーションに基く社会システムの効率性向上戦略に関する政策分析

3. わが国の国土、都市、社会システムの頑健性向上を目指した防災、減災、危機管理、社会基盤整備等に関連する公共政策のあり方と戦略的政策分析

 

上記の研究課題1については、(i)2020年の東京オリンピックを控えてわが国としてのセキュリティに関する危機管理対応策、(ii)リスクマネジメントとクライシスマネジメント、(iii)地震・津波・風水害等の自然災害に対する都市防災、(iv)交通・道路・鉄道等の各種社会基盤の脆弱性を考慮した対応策、整備のあり方、(v)公共交通としての鉄道システム、エネルギーシステム、あるいはわが国の製造業、建設業等における国際的標準化制度への対応、等が具体的な研究テーマとなる。

研究課題2については、(i)我が国のエネルギー・環境政策としての再生エネルギー資源の効率的利用、(ii)在来型火力電源としての原油・石炭・天然ガス電源の環境を考慮した効率的利用、(iii)地球温暖化問題に対するIT技術、イノベーション技術の適用、等が主要な研究テーマとなる。

研究課題3については、わが国の防災・減災対応策としては必須とも言うべき(i) 地震・津波・風水害等の自然災害に対する社会基盤整備、(ii)社会システムの頑健性、脆弱性の定量的計測手法、誌評価手法の開発と検証等が主要テーマとなる。

なおまた、研究課題2,3の実施に当たっては、より広範な関連研究テーマとして、(i)わが国の技術イノベーションの開発、促進のための研究開発、研究助成制度のあり方に対する検討、(ii)わが国の国土開発、社会システムの頑健性向上に加えて、本研究プロジェクトの実施、研究成果の顕在化をはかる上での人材育成のあり方と高等教育の役割等についても考察、検討を加える予定である。

 

本研究プロジェクトの実施に当たっては、東大生産研メンバーと本学メンバーの間で定期的に会合を持ち、研究課題に関する研究進捗状況、将来への研究の方向付けおよび計画に関する議論を行ない、情報交換を実施している。研究実施と並行して、あるいはまた近い将来において、科学研究費、科学技術振興機構(JST)プロジェクト、国際協力機構(JICA)プロジェクト等の外部資金の獲得を目指している。

 

※本研究は、大山達雄理事・特別教授(2015年)から諸星穂積教授(2016年)へ引き継がれました。