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リサーチ・プロジェクト

2011/5/16 ~ 2013/3/31

環日本海地域を中心とした資源安全保障と廃棄物処理・リサイクルの生産性に関する分析

研究代表者
  • 吉田 雄一朗

環日本海地域を中心とした資源安全保障と廃棄物処理・リサイクルの生産性に関する分析 本研究プロジェクトでは、東日本大震災の国際資源循環への影響に関する調査と、日本の廃棄物政策の定量的評価を行います。 福島第一原子力発電所の事故以降、鉄スクラップを中心とした循環資源の輸出入においては中国をはじめとするアジア諸国が放射能汚染に関する規制を強化するなか、国内での放射線量の検査では異常がなかったにも関わらず少なからぬ数の輸出船が相手国への陸揚げを拒否されシップバックされるという事態が発生しています。こうした状況は中長期的には国際資源循環のサプライチェーンを変化させる圧力となり、日本国内の静脈産業の競争力を奪うことになりかねません。第一の研究テーマである東日本大震災の国際資源循環への影響に関する調査においては、原子力発電所の事故に伴う放射能汚染によって循環資源の輸出入にどのような新たな障壁が生じているかを事業者へのインタビューを中心に行って整理し迅速に報告することを目指します。 第二のテーマである廃棄物政策の定量的評価に関する研究では、地方自治体に処理責任がある一般廃棄物処理を対象に、廃棄物処理・リサイクルの生産効率性を計測することによって、廃棄物処理法の改正や3R政策の効果などを各自治体ごとに多面的かつ定量的に分析します。これによりたとえばある自治体が他の自治体に比べてどの程度”クリーン”かつ”グリーン”といえるのか、あるいは他のどの様な面において進んでいるのか、などを明らかにすることが期待されます。また今回の大災害により廃棄物処理システムが大きく損なわれた自治体は数多くあるとみられます。本研究による自治体レベルの廃棄物処理・リサイクルの生産性分析の成果は、そうした自治体を復興していくための廃棄物処理システムの設計において重要な役割を果たすものと考えています。