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リサーチ・プロジェクト

2010/4/1 ~ 2012/3/31

環日本海を中心とした国際資源循環のさらなる推進に向けた効率的な静脈物流のあり方に関する研究プロジェクト

研究代表者
  • 吉田 雄一朗

国土が限られ、豊かな自然資源も持たない我が国においては、高度な資源循環型 社会の構築が不可欠です。また、ますます増大する経済活動から排出される残余 物の有効利用をさらに促進するためには国境を超えたより広い領域で静脈資源を 循環させることが現実的です。実際、かつて再生資源の輸入国であった日本は、 各種リサイクルレジームの進展とともに北東アジア向けを中心とした再生資源の 輸出国へと変貌しており、東アジアを中心とした国際資源循環ネットワークの重 要性はますます高まっています。しかし、本質的に情報の非対称性の問題を含む 静脈経済においては、市場メカニズムだけに頼って適正処理を進めることは困難 です。静脈資源の流通範囲が広がることはその生産物連鎖が長くなることを意味 し、生産物連鎖は長くなればなるほど情報が散逸する可能性が大きいので、不適 正処理や不法投棄を生み出しやすくなります。 そこで本研究では安定的な国際資源循環ネットワークを確保するためにはどのよ うな点が重要となるかについて分析を行います。特に東アジア各国との交易にお いて地理的に有利な立場にある日本海側の港湾物流における成功事例を通じて、 どのような要因が東アジア資源循環ネットワークを確立するに至ったかの要因お よび関連する経済政策がもたらす社会厚生への影響を分析します。