2012/4/1 ~ 2014/3/31
研究代表者 |
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研究の背景と目的:
港湾を取り巻く環境は、世界経済のグローバル化により「物流の時代」から「サプライチェ-ンの時代」へと大きく変化した。このため世界の港湾は、その経営概念や手法を見直し、新たな経営戦略を展開しつつある。
とくに海陸輸送の結節点としての機能強化に注力する従来の港湾経営から、利用者の多様なロジスティクス・ニーズに応える総合的なサービスの提供や背後圏を効率的にカバーする広域的なサプライチェ-ン・ネットワークの形成など、伝統的な港湾経営の概念を越えた多彩なロジスティクス戦略に取り組み始めている。その事業手法や事業パートナーも多様化し、これまで港湾に限定されていた活動が背後圏各地に大きく広がっている。
本研究は、欧州や北米諸国の港湾におけるこうした新しいロジスティクス戦略について、その取り組みの実態を調査し総合的に分析するものである。我が国においては、2011年3月に港湾法が改正され国際コンテナ戦略港湾への取り組みが強化された。本研究はその政策の深化、推進に新たな示唆を得ることを目指している。
研究の手法と進捗:
本研究は2か年で実施する計画であり、まず2012年度には米国における港湾を対象として、そのロジスティクス戦略について文献調査を進めるとともに、東海岸及び西海岸の主要港湾5港について現地調査を実施した。主要なロジスティクス戦略として以下の態様が明らかになった。
2013年度は、欧州の主要港湾について現地調査を含めたロジスティクス戦略の事例分析を進め、全体のとりまとめを行う予定である。
写真: ロサンゼルス港