本リサーチ・プロジェクトは，公共交通指向型開発（Transit Oriented Development（TOD））の発展途上国への適用を念頭に置き，各国のTODに関連する鉄道・都市計画および法制度に着目し，国際比較分析を行うものである．発展途上国の多くの大都市では，激しい交通渋滞が発生しており，その解決策の一つとして鉄道整備およびTODが期待されている．しかしながら，不適切な適用による失敗事例も少なくなく，発展途上国における都市の持続的な発展を実現し，そしてSDGsの実現を可能にするためには，詳細な国際比較分析を踏まえた適切なスキームづくりが重要である．各国における官庁組織構造，法律，解決すべき問題とその原因等が一様ではないため，本研究では，それらの共通点，相違点を明確にし，TOD適用に向けた各国の課題を明らかにする．具体的には，鉄道および都市計画および関連する法制度の変遷を調べ，日本と各国との比較を行うことにより，有効な解決策（規制，補助等の法制度，整備範囲，整備主体，整備スキーム等）を提案する．