福井秀夫

教育

2010.04~2011.03

(1)講 義

  • 現代社会における法と経済

(2)演 習

  • まちづくり政策論文演習
  • 知財政策論文演習

(3)論文指導

  • 修士課程8名(まちづくりプログラム7名、知財プログラム1名、すべて修士取得)
2009.04~2010.03

(1)講義

  • 現代社会における法と経済

(2)論文指導

  • 修士課程6名(まちづくりプログラム、修士取得)
2008.04~2009.03

(1)講義

  • 現代社会における法と経済

(2)論文指導

  • 8名(まちづくりプログラム、全て修士取得)
2007.04~2008.03

(1)講義

  • 現代社会における法と経済

(2)論文指導

  • 3名(知財プログラム、修士取得)
2006.04~2007.03

(1)講義

  • 現代社会における法と経済

(2)論文指導

  • 5名(知財プログラム)(修士号取得)
2005.04~2006.03

(1)講義

  • 「現代社会における法と経済」

(2)論文指導

  • 5名(知財プログラム,修士取得)
2004.04~2005.03

(1)講義

  • 「現代社会における法と経済学」

(2)論文指導

  • 伊藤邦明(知財プログラム「効率的な偽造クレジットカード犯罪対策について」修士取得)
  • 井戸祥文(知財プログラム「公的インフラ企業の民営化・自由化に伴う研究開発の在り方について」修士号取得)
  • 勝見康生(知財プログラム「特許審査請求料を中心とした特許審査制度の検討について」修士号取得)
  • 氏家正喜(公共プログラム「国民訴訟の創設に関する一考察」修士号取得)
2003.04~2004.03
  • 講義「現代社会における法と経済学」
2002.04~2003.03
  • 講義

「法と経済学」
本講義の概要
法がその運用・判例を通じて経済社会に与える影響を分析する技術が法と経済学である。民事法,刑事法,行政法を問わず,法はその規律する対象となる人々に対して,作為又は不作為やその程度に対して影響を与える。その影響が社会的な富の総量に対してどのように作用するのかを,立法及び法解釈の前提として認識しておくことは有益である。また,同じだけの社会的な富の増大を前提とすれば,どのような属性の人々がその他の属性の人々よりも多く分配を受けているか,それはどの程度かという点も,公正の観点から認識しておくことがやはり有益である。
これまでの法学の中心はいわゆる法解釈学であって,議会で成立した法や条例を与件とし,私的な当事者間の利益衡量等を踏まえて,複雑な法体系の「読み方」としてもっとも論理整合的なものは何か,「リーガルマインド」(法的思考)と呼ばれる価値判断にもっとも適合的なものは何かを議論することが任務であるとされてきた。しかし,つじつま合わせと価値判断の衝突に法解釈が終始する限り,複数の論理整合的な解釈の優劣を論理的に決することは不可能である。立法のどのような仕組みがどのような基準に基づきより優れているかを判断する枠組みを提供することもできない。
法と経済学は,ある立法や法解釈が社会的な富を増大させるのか否か,誰の利得をどれだけ増やし,または損なうのか,などについて反証可能な基準に基づく示唆を与えることができる。法として記述される政策の設計に対して具体的な基準を提供できるのである。
本講義では,法と経済学の基礎的な考え方を解説するとともに,これを踏まえた法の具体的現場に関する各論について政策問題として論じることとする。授業では,予め与えられた課題に即した討論にできるだけ重点を置くこととする。

 

  • 授業の概要
    第1回  法解釈学の限界 ―― 反証可能性と科学・ドグマ
    第2回  契約法における立法・司法の失敗 ―― 借地借家法・解雇法のパラドックス
    第3回  行政訴訟と民事訴訟 ―― 取引費用と裁判制度・行政訴訟制度改革
    第4回  行政の裁量と司法の裁量 ―― 裁量統制の基準と手続き
    第5回  行政上の義務履行確保の実効性 ――「違法」はなぜ放置されるか
    第6回  都市計画・建築規制の機能 ―― 容積率規制の虚構
    第7回  建築紛争 ―― 権利配分とコースの定理
    第8回  競売制度の日米格差 ―― 担保法の実効性と公正
    第9回  土地収用・用地買収の論理と心理 ―― なぜ用地取得は困難か
    第10回 公共事業の基準 ―― 公共財・費用便益分析・分配
    第11回 一極集中は悪か ――「混雑」への対処とインフラストラクチャー(基盤施設)
    第12回 行政組織と公務員任用制 ――「公益」とレントシーキング
    第13回 情報の非対称 ―― 資格制度・性能表示制度の意味
    第14回 司法は誰のものか ―― 法律サービスと消費者の利害・裁判所の役割
    第15回 資産税・所得税・消費税の設計基準 ―― 効率・公正・一貫性
  • テキスト・参考文献等
    (テキスト)
    1. ミラー,ロジャー・レロイ=,ベンジャミン,ダニエル・K=ノース,ダグラス・C(1995)『経済学で現代社会を読む』(赤羽隆夫訳)日本経済新聞社
    2. 福井秀夫(2001)『都市再生の法と経済学』信山社
    3. ランズバーグ,スティーヴン(1995)『ランチタイムの経済学』(吉田利子訳)ダイヤモンド社ランズバーグ,スティーヴン(1998)『フェアプレイの経済学』(斎藤秀正訳)ダイヤモンド社 
    (参考文献)
    1. マンキュー,N.グレゴリー(2000)『マンキュー経済学Ⅰミクロ編』(足立英之ほか訳)東洋経済新報社
    2. 常木淳(2002)『公共経済学第2版』新生社
    3. クーター,ロバートD.=ユーレン,トーマスS.(1997)『新版法と経済学』(太田勝造訳)商事法務研究会
    4. 八田達夫(1994)『消費税はやはりいらない』東洋経済新報社
    5. 鈴木禄弥・福井秀夫・山本和彦・久米良昭編著(2001)『競売の法と経済学』信山社
    6. 阿部泰隆・野村好弘・福井秀夫編著(1998)『定期借家権』信山社
    7. 福井秀夫・川本明編著(2001)『司法を救え』東洋経済新報社
    8. 八田達夫・八代尚宏編著(1995)『東京問題の経済学』東京大学出版会
    9. 岩田規久男・八田達夫編著(1997)『住宅の経済学』日本経済新聞社
    10. 八代尚宏編著(2000)『社会的規制の経済分析』日本経済新聞社

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