研修事業

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第3期生(2017年度~)

2017年にSPRIプログラムを開始した第3期生の訪日実績をご覧いただけます。

 

※ 掲載情報は各インタビュー時点のものです。


 

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カニットソーン・スムリデッチャカジョーンさん(タイ)

国民医療保障庁 ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ国際関係局 課長

政策課題:ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)

 

 

 

 

 

 

タイの国民医療保障庁でユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)国際関係局の課長を務めるカニットソーンさんは、JICAと協働で、タイの健康に関する専門家育成、プロジェクト参加国のUHC実施サポート、そして健康に関する知識を世界に発信するという3つの目標を掲げるプロジェクトにあたっています。本SPRIプログラムでは、この分野の第一人者である本学の島崎謙治教授、小野太一教授の指導を受けながら、タイのUHCの課題解決・改善に向けた政策提言をすべく、研究を行っています。

 

spri3_3_1JICA担当者および本学指導教員との最終ディスカッション(第2回目の訪日研究より)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<カニットソーンさんのコメント>

■2回の訪日研究を行って(2018年3月)

第一人者とのディスカッションでタイのUHC改善を目指す

 

UHCは幅広い分野のため、初期段階でさまざまな課題を同時に解決または改善できるテーマを見つけだし、それについての研究を進めるというプロセスが重要です。これまでの2回の訪日研究では、先生方からさまざまなアドバイスをいただき、ディスカッションを重ねて、これから取り組むべきテーマをようやく決定することができました。次回からはいよいよ関連する現場に実際に足を運んで調査し、政策立案のための研究に取り組む予定です。日本とタイのUHC制度は大きく異なるため、日本のシステムをタイにそのまま導入することはできませんが、日本の制度は非常に細やかで正確性が高く、すべてが連携できている点でとても優れています。また、経験や実績に裏付けされた先生方の教えは教科書では得難いもので、UHC全般において知識が豊富な先生方と直接対面してディスカッションを行えることは、私の研究にとって大きな意味を持つと考えています。SPRIプログラムは日本とASEAN諸国が知識を共有できる素晴らしい機会であり、各国のフェローによって取り組む政策課題は違っても、このように協働して政策研究ができる機会があることはとても重要であると思います。

 


 

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アマリア・アディニンガー・ウィジャサンティさん(インドネシア)

インドネシア政府国家開発計画庁(BAPPENAS) マクロ経済計画・統計分析局 課長

政策課題:マクロ経済政策管理

 

 

 

 

 

 インドネシア政府国家開発計画庁(BAPPENAS)のマクロ経済計画・統計分析局でマクロ経済政策の立案責任者を務めるアマリアさんは、経済の予測や評価、さらにはそれらを裏づける政策の研究や分析などにあたっています。本SPRIプログラムでは、内閣府や経済産業省の協力のもと、さまざまな経済専門家との意見交換やディスカッションを通じて、より精度の高い政策提言をすべく研究を行っています。

 

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写真左:JICA担当者および本学指導教員との最終ディスカッション(第1回目の訪日研究より)、写真右:内閣府にて日本の成長戦略を学ぶ(第1回目の訪日研究より)

 

<アマリアさんのコメント>

■2回の訪日研究を行って(2018年1月)

より精度の高いマクロ経済政策の提案に向けて

 

世界的に個人消費が落ち込み、貿易にも悪影響を及ぼしている現在、米国トランプ政権のTPP脱退に代表されるような新たな貿易課題はインドネシアや日本にどのような影響を与えており、それにどのように対応する必要があるのか。私の仕事の約半分はそのような研究と分析で占められています。本SPRIプログラムでは、私が立てたそれぞれの経済予測について、内閣府で実際にアベノミクスを担当している行政官に具体的なアドバイスをいただいたり、財政政策や金融政策の第一人者といわれる先生方と意見交換やディスカッションの機会をいただいたりして、インドネシア国内では決して到達することのできなかったレベルの研究成果を得ることができています。本プログラムを通して日本がどのように経済を管理し、特に日本の行政が中央銀行や金融政策を通してそれぞれの経済課題にどのような役割を果たしているのかを目の当たりにすることができたことは非常に幸運だと思っています。ただ、日本とは背景も条件も異なるインドネシアへの応用に関しては、これから私の中で理解を深め、最適な応用の仕方を検討することが重要だと考えています。

 


 

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サイ・テッ・ナイン・モーさん(ミャンマー)(写真右)

建設省都市住宅開発局 課長(バゴー管区政府に出向中)

政策課題: 土地政策・土地管理(住宅開発の観点から)

 

ゾー・ゾー・エーさん(ミャンマー)(写真左)

建設省都市住宅開発局 副課長

政策課題: 土地政策・土地管理(地域開発、都市開発の観点から)

 

土地政策・土地管理の研究のため、ミャンマー建設省から行政官のサイ・テッ・ナイン・モーさんとゾー・ゾー・エーさんが来日、第2回目の訪日研究を実施しました。かつてはアジアで最も都市化が進んでいない国のひとつともいわれていましたが、近年着実な経済成長とともに急速な都市化への対処が急務となっているミャンマーで、地方政府の開発責任者として中央当局との調整役も兼務するサイ・テッ・ナイン・モーさんと、中央当局から都市開発に携わるゾー・ゾー・エーさんは、共通の課題についてそれぞれの立場からの研究を進めています。今回の訪日では、本学における研究指導や国土交通省の行政官による講義のほか、同省の協力のもと東日本大震災の復興支援体制の視察も行いました。

 

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写真左:土地区画整理を学ぶ(陸前高田市)、写真右:秋田大雨対策に取り組む災害対策本部を視察(仙台市)

 

<サイ・テッ・ナイン・モーさん、ゾー・ゾー・エーさんのコメント>

■2回の訪日研究を行って(2017年7月)

豊富なヒントから新たな土地政策・土地管理へ

 

ミャンマーでは、2008年に制定された憲法によって行政権を地方に移行すると定め、都市開発は地方自治体の管轄となりました。しかしながら、人材や経験の不足から、現在は中央当局がサポートしつつ地方都市がそれを行っている状態です。かたや国全体としては歴史的ターニングポイントに立っており、都市開発のための用地をいかに調達し、管理していくかが緊急の課題となっています。本SPRIプログラムでは、私たちが取りまとめた政策課題のためだけにすべての講座や調査プログラムが組まれており、私たちの政策研究に資するありとあらゆる情報から、これまでたくさんのアイデアを生み出すことができています。また、日本の土地管理制度は非常に優れていて、土地登記システムや異なる部門間でのスムーズな情報連携など、すぐにでも採り入れたいと思わせる制度が数多くあります。今回は東日本大震災の復興支援も視察させてもらいましたが、非常時の初動対応やあの大きな災害からの復興のスピードには目を見張るものがありました。今後ミャンマーの土地政策・土地管理の具体的ステップを検討するにあたっては、そんな非常時対策まで盛り込んで良いものにまとめていきたいと思います。

 


 

 

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