研修事業

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第1期生(2015年度~)

2015年にSPRIプログラムを開始した第1期生の訪日実績をご覧いただけます。

 

※ 掲載情報は各インタビュー時点のものです。


 

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ピエンペン・ウォンナパパンさん(タイ)

科学技術環境省国立科学技術開発庁 課長(2017年からはマヒドン大学技術イノベーションマネジメント研究所 事務局次長)

政策課題:イノベーション振興

 

 

 

 

 

タイのマヒドン大学技術イノベーションマネジメント研究所で事務局次長を務めるピエンペンさんは、経済産業省等日本の政府機関の協力の下、イノベーション振興の政策研究を行っています。これまでのプログラムにおいては、経済産業省産業技術環境局長とのディスカッションをはじめ、日本自動車研究所や自動車メーカー、自動車部品メーカー等、多くの関連事業者を訪問しています。

 

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写真左:日産エンジンミュージアムを見学(第4回目の訪日研究より)、写真右:オープン・イノベーションの基盤づくりの取り組みを視察(第3回目訪日研究より)

 

<ピエンペンさんのコメント>

■2回の訪日研究を行って(2016年2月)

産業のイノベーション振興につなげるネットワーク形成

 

タイ政府では、海外からの直接投資を活用した研究開発(R&D)促進に取り組んでいます。そこで、私はSPRIプログラムにおけるケーススタディーの対象として、自動車産業と電機・電子産業の2つを選びました。日本がタイを拠点として研究開発投資を行うために、タイ政府として何をすべきかが課題です。たとえば、現在私はタイ自動車産業と電子産業の人材開発に携わっていますが、日系企業で働くためには技術的な能力だけでなく、言語の壁を乗り越え、日本特有の労働倫理・職場文化を理解することも必要です。また、人材開発と同様に、研究開発を推進するための税の優遇措置や補助金などインセンティブの付与も重要な側面です。私は、所属する科学技術開発庁とGRIPSが持つネットワークを活用し、日本とタイの関係構築にも努めています。SPRIプログラムを通して多くの民間企業の方と意見交換の機会を得ました。SPRIプログラムはネットワーク形成に必要なものが全てパッケージになっています。 

 


 

グエン・ニュ・ティエップさん(ベトナム)spri_161127

農業農村開発省農林水産品質管理局 局長

政策課題:フードバリューチェーン

 

 

 

 

 

 

ベトナムの農業農村開発省農林水産品質管理局で局長を務めるティエップさんは、農林水産省等日本の政府機関の協力を得て、フードバリューチェーンの政策研究を行っています。訪日プログラムでは、農林水産省の専門官や本学教授、学外の研究者による講義に加えて、農産物生産者、食品加工会社、卸売市場、小売店、農業協同組合等を訪問し、日本の農業・畜産業・酪農業などの生産から流通、販売に至る関係事業を学んでいます。

 

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写真左:「道の駅」で野菜の直売所を視察(第1回目の訪日研究より)、写真右:牛乳の生産工程を学ぶ(第1回目の訪日研究より)

 

<ティエップさんのコメント>

■2回の訪日研究を行って(2015年11月)

農業部門における品質・生産性向上の課題解決のために

 

ベトナムはTPP協定交渉メンバーであり、EUや韓国などと様々な自由貿易協定を結んでいます。私たちは、我が国の農産物の品質と市場競争力を高め、生産者の収入向上に結びつけたいと考えています。SPRIプログラムでの研究を通し、日本の政策や取組みから特有の強みを学び、ベトナムのより良い政策立案と農業の発展に役立てたいと思っています。ベトナムではフードバリューチェーン強化をはじめとし、農業部門における品質・生産性の向上が課題です。国産商品を国内消費のみに留まらず、国際的なフードバリューチェーンにアクセスさせることに加え、農産加工品の輸出と市場拡大を目指しています。何よりも生産者の収入向上に裨益することが目的です。

 

■すべての訪日研究を終えて(2017年6月)

日本の慣習・経験をベトナムに活かす

 

日本の優れた研究者や専門家から直接学び、さまざまな分野で成功しているフードバリューチェーンのステークホルダーから直接話を聞くことができたのは、とても幸運なことだったと思っています。研究活動を通して、どのような慣習や経験が日本のフードバリューチェーンを発展・強化させているのか、最新の情報を知ることができました。研究結果は政策立案に役立てていきたいと思います。そして、日本の良い慣習や経験をベトナムの農業フードバリューチェーンを強化・発展させるため、ステークホルダーの間で共有していきたいと思います。

 


 

spri_171224ナンタナ・カイサエンさん(タイ)

保健省食品医薬品局 薬剤師

政策課題:薬事規制制度

 

 

 

 

 

 

タイの保健省食品医薬品局で薬事規制に携わるナンタナさんは、厚生労働省等日本の政府機関の協力の下、薬事規制に関する研究を行っています。経済成長の著しいアジアにおいて拡大する医薬品市場に対し、タイ政府は薬事規制の整備を課題としています。訪日プログラムでは、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)や製薬会社等を訪問しました。

 

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写真左:PMDAで製造管理・品質管理について学ぶ(第2回目の訪日研究より)、写真右:研究成果をタイの関係者に共有する経過報告会(2017年5月、バンコクにて)

 

<ナンタナさんのコメント>

■2回の訪日研究を行って(2015年11月)

タイの医療品審査手続きの課題の解決に向けて

 

医薬品の販売には、事業者が政府から許可を得る必要があります。私はタイ政府の薬事規制を取り扱う部門で2015年5月から医薬品の承認審査を担当しています。SPRIプログラムはタイの薬事規制にとって非常に有益です。特に、タイでは医薬品申請手続きから承認まで長い時間がかかることが問題となっています。その点において非常に効率的な日本の薬事規制システムから多くを学び、タイで生かすことができると考えています。前回の訪日の際、20年前、日本にまだ医薬品医療機器総合機構が設立されていなかった時、日本が今のタイと同じ状況であったことを知りました。SPRIプログラムを通じて、ベンチマーキングスタディー、とりわけタイと日本の薬事規制制度に関する比較研究を行い、タイで応用できる最適なモデルを見つけ出したいと考えています。

 

■すべての訪日研究を終えて(2017年6月)

タイの新たな薬事規制制度導入へのヒント

 

SPRIプログラムを通して、日本のさまざまな規制について学ぶことができました。日本の規制制度をタイの制度に組み込むにあたっては、法令や文化、消費者行動など、いくつか考慮すべき要素もありますが、このプログラムのお陰で新たな制度導入に踏み切ることができました。このプログラムに参加して、日本の制度について学ぶことができたのはもちろん、日本文化にも触れ、美しい国を訪れることができたこともとても幸運だったと思います。このプログラムに参加する機会をいただけて本当に感謝しています。どうもありがとうございました。

 


 

 

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