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2018.5.10

ノルウェー外務大臣が本学にて特別講演「私たちの海、私たちの未来-ノルウェーの海洋政策とSDGs」を実施

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5月10日、本学の想海樓ホールにて、イーネ・エーリクセン・スールアイデ(Ine Eriksen Søreide)ノルウェー外務大臣による特別講演「私たちの海、私たちの未来-ノルウェーの海洋政策とSDGs」が行われました。本講演は、ノルウェー大使館、日本財団、笹川平和財団海洋政策研究所、本学の協力によって一般公開で行われたものです。会場には、海洋国家ノルウェーの現役大臣の声を直接聞ける貴重な機会ということで、海洋に関連する企業やNGO、政府関係などを含む多数の来場者が訪れました。

 

講演では、「ノルウェーの輸出金額の3分の2が沿岸と海洋活動によるもの」と同国における海洋産業の重要性が述べられた上で、私たちがいま直面している①清潔で健全な海洋保全 ②持続可能な海洋資源利用という2つの課題について今後の海洋管理のあり方が語られました。

 

① 清潔で健全な海洋保全

スールアイデ外相はまず、気候変動による環境の急激な変化を目の当たりにしてきている北極の国ノルウェーの経験から「海洋保全のための必要な知識はひとつの国の力では得られない、国際協力に基づく調査が唯一の方法だ」と強く語りました。また、SDGs、特にSDG14は私たちが今後取るべき行動の重要な指針であり、昨年開かれた国連海洋会議について「国連が初めて健全な海洋環境を見据えて会議を行ったのは大きな一歩であり、これを弾みに国連の活動の中核に持続可能な海洋を置くべきだ」と訴えました。

 

② 持続可能な海洋資源利用

現在、乱獲によって海洋資源の3割が過剰に収穫されている状況を受け、「責任ある海洋管理は、持続可能な食糧生産だけでなく、次世代への雇用や成長、福祉の推進にもつながる」として、海洋管理の成功例である北極地区のタラについて説明しました。「1989年、資源量が著しく低下したことを機にノルウェーとロシアは漁業管理のための共同研究を開始。研究結果を政策に反映し続けた今日、タラの資源量は当時の10倍まで回復、世界最大の資源量となった。年間経済価値は20億ドルとも言われる」と語りました。

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スールアイデ外相(左)と田中学長(右)

 

今月初めに日本の齋藤健(さいとうけん)農水大臣がノルウェーを訪れたことに触れ、ブルー・エコノミー(海洋経済)の推進について、「日本とノルウェーは持続可能な方法で収穫された海産物が健全な食料であることを相互に認識し、両国がグローバルな海産物市場の開拓・技術開発における重要なパートナーである」とした上で「世界の魚食人口がわずか2〜5%である現在、より多くの人々に魚介類を食べてもらうことは両国共通の願いだ」と語りました。

 

 

 

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