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2016.12.9

DMP留学生と日本人学生が防災に関する合同フィールドワークを実施しました。

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本学のDisaster Management Policy Program(DMP)は、開発途上国における防災分野の専門家を養成する1年間の修士課程プログラムで、地震学コース、耐震工学コース、津波防災コース、水災害リスクマネジメントコースがあり、現在は2016年10月に入学した30名の留学生が学んでいます。

 

12月8(木)・9日(金)、DMPカリキュラムの一環として、公共政策プログラム(インフラ政策コース及び防災・危機管理コース)と合同で、東京の防災関連施設やシステムを視察するフィールドワークが行われました。

 

DMPからは30名の留学生が、公共政策プログラムからは26名の日本人学生が参加。6班に分かれた学生たちは、班ごとそれぞれの関心事に合わせて視察先を決定し、日本人主導で半日かけて都内各地をめぐり、翌日には発表資料を作成、最後にプレゼンテーション及び学生投票に基づく表彰を行いました。

 

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その視察内容は様々で、広域避難や応急復旧活動等について学ぶことができる東京臨海広域防災公園の視察や、自然災害と関連の深い気象予測現場である日本気象協会の訪問、麹町消防署における設備見学・体験などを実施。また、スカイツリーや東京タワーを訪れ、上空から地域特性や都市計画を俯瞰し、防災や治水対策との関連を考察する班や、その構造物の耐震性に着目する班もありました。さらに、江戸東京博物館や浅草なども訪れ、来日して3ヶ月ほどの留学生にとっては、日本の歴史・文化に対する理解を深める機会となりました。

 

また、日本人の学生にとっては、自分の専門分野や日本文化に関する話題について、英語によるコミュニケーションを実践で試す機会となっただけでなく、2日間の交流で多様な価値観に触れる機会となりました。班のリーダーを務めた防災・危機管理コースの梅崎千輝さんは、「この2日間大変有意義な時間を過ごす事ができました。留学生とこれほど深く関わることができたのは初めてで、大変なことも多かった半面、留学生に助けられた面も多くあり、互いに学ぶことができたと思います。このフィールドワークで得た経験は人生の財産になると思います。」と話していました。

 

daiba

 

  • 参加学生感想その1

阿部久乃さん(公共政策プログラム インフラ政策コース)

 

「私達のグループは、複数の交通機関を乗り継ぎながら、日本における防災上の課題や対応策などを共有することをテーマとして掲げてフィールドワークのルートを計画しました。当日は、東京臨海広域防災公園の防災学習施設「そなエリア東京」での首都直下地震の発生から避難までの体験、埋立地であるお台場エリアの防災、鉄道や新交通(ゆりかもめ)の地震発生時の対応、都心の様々な街並みや渋滞などの課題や緊急輸送道路の役割を実感するSKYBUSでの移動、スカイツリーの制振構造や防災拠点としての役割、浅草の浅草寺付近における防火地域の考え方などのフィールドワークを通して、日本の防災に関する考え方や状況を共有しました。フィールドワークの数日前、鉄道会社の社員としてDMP学生を対象に東京駅を案内した経緯もあり、「交通のプロ」としての誇りを持ちながら、交通インフラの災害に対する課題や対策を情報共有しました。特に、東日本大震災の経験を通して学んだことや、日本の鉄道は「定時性」よりも「安全性」を重要視していることに対して大変関心を持ってくれました。また、日本の首都である東京の街並みは、「ビル群だけでなく、綺麗な自然や風景もあるなど、様々な表情があって素敵だ」という言葉を聞いて、何気なく過ごしている各エリアの街並みの特徴は、都市計画等の成果なのかと改めて気付くことができました。このフィールドワークを通して、日本の防災に対する一側面を共有することが出来たともに、改めて気付く点もあっただけでなく、グループの友情が芽生えたことを嬉しく思います。」

 

阿部久乃:

派遣元の鉄道会社では建設工事部門の土木技術者として、鉄道ネットワークや生活サービス関連施設などの経営基盤の強化、沿線地域のまちづくりへの貢献を実現するための、設計、発注、施工監理等を通じてさまざまな建設プロジェクトを推進。現在は公共政策プログラム インフラ政策コースにて、観光統計による旅客流動の実態に関する研究に取り組んでいる。

 

  • 参加学生感想その2

Lucas Mikoszさん(Disaster Management Policy Program 水災害リスクマネジメントコース)

 

「私たちのグループでは、日本人学生が案内役を務めてくれ、まずは隅田川のほとりにある墨田公園とスカイツリーを訪れ、最後には水陸両用バスで旧中川を下り、東京の重要な防災関連施設を見て回りました。各所をめぐる間、異なるバックグラウンドを持つ各国の学生たちと、それぞれの国の防災対策や、日本の知見を他国でどのように活用できるかについて興味深い議論を交わし、お互いの経験を共有することが出来ました。プレゼンテーションでは、視察先とそこで得た見識について発表するため、皆で準備を行いましたが、どのチームも、専門的側面からみた正確性に加え、おもしろく、印象的なプレゼンテーションに仕上げるために、できる限りの工夫を凝らしていました。結果、どの発表もチームワークと創造性が際立っており、多くの笑いを誘うものでもありました。日本人の学生たちと交流を持てたことは素晴らしい経験になりましたし、ちょっとした東京観光をすることができ、新しい友人にも出会うことが出来ました。」

 

Lucas Mikosz:

ブラジルの南部に位置するクリチバ市出身で、地質学を専門とし、首都ブラジリアにある国民保護防衛局国家災害リスク管理センターに勤務。基礎構造分析師として被災地域の構造物再建過程の分析、災害ハザードマッピングの監督業務等にあたってきた。ブラジルでは土砂災害軽減に関する日本とブラジルの政府間協力プロジェクトであるGIDESプロジェクトに参加。また、現在の機関に所属する以前は、環境影響調査やハザードマッピング関連の複数のプロジェクトに関わる。2016年10月からGRIPSの修士課程Disaster Management Policy Program、水災害リスクマネジメントコースにて学んでいる。

 

 

取材・文責:企画室広報担当

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2016.12.9

DMP留学生と日本人学生が防災に関する合同フィールドワークを実施しました。

_DS38890 

 

本学のDisaster Management Policy Program(DMP)は、開発途上国における防災分野の専門家を養成する1年間の修士課程プログラムで、地震学コース、耐震工学コース、津波防災コース、水災害リスクマネジメントコースがあり、現在は2016年10月に入学した30名の留学生が学んでいます。

 

12月8(木)・9日(金)、DMPカリキュラムの一環として、公共政策プログラム(インフラ政策コース及び防災・危機管理コース)と合同で、東京の防災関連施設やシステムを視察するフィールドワークが行われました。

 

DMPからは30名の留学生が、公共政策プログラムからは26名の日本人学生が参加。6班に分かれた学生たちは、班ごとそれぞれの関心事に合わせて視察先を決定し、日本人主導で半日かけて都内各地をめぐり、翌日には発表資料を作成、最後にプレゼンテーション及び学生投票に基づく表彰を行いました。

 

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その視察内容は様々で、広域避難や応急復旧活動等について学ぶことができる東京臨海広域防災公園の視察や、自然災害と関連の深い気象予測現場である日本気象協会の訪問、麹町消防署における設備見学・体験などを実施。また、スカイツリーや東京タワーを訪れ、上空から地域特性や都市計画を俯瞰し、防災や治水対策との関連を考察する班や、その構造物の耐震性に着目する班もありました。さらに、江戸東京博物館や浅草なども訪れ、来日して3ヶ月ほどの留学生にとっては、日本の歴史・文化に対する理解を深める機会となりました。

 

また、日本人の学生にとっては、自分の専門分野や日本文化に関する話題について、英語によるコミュニケーションを実践で試す機会となっただけでなく、2日間の交流で多様な価値観に触れる機会となりました。班のリーダーを務めた防災・危機管理コースの梅崎千輝さんは、「この2日間大変有意義な時間を過ごす事ができました。留学生とこれほど深く関わることができたのは初めてで、大変なことも多かった半面、留学生に助けられた面も多くあり、互いに学ぶことができたと思います。このフィールドワークで得た経験は人生の財産になると思います。」と話していました。

 

daiba

 

  • 参加学生感想その1

阿部久乃さん(公共政策プログラム インフラ政策コース)

 

「私達のグループは、複数の交通機関を乗り継ぎながら、日本における防災上の課題や対応策などを共有することをテーマとして掲げてフィールドワークのルートを計画しました。当日は、東京臨海広域防災公園の防災学習施設「そなエリア東京」での首都直下地震の発生から避難までの体験、埋立地であるお台場エリアの防災、鉄道や新交通(ゆりかもめ)の地震発生時の対応、都心の様々な街並みや渋滞などの課題や緊急輸送道路の役割を実感するSKYBUSでの移動、スカイツリーの制振構造や防災拠点としての役割、浅草の浅草寺付近における防火地域の考え方などのフィールドワークを通して、日本の防災に関する考え方や状況を共有しました。フィールドワークの数日前、鉄道会社の社員としてDMP学生を対象に東京駅を案内した経緯もあり、「交通のプロ」としての誇りを持ちながら、交通インフラの災害に対する課題や対策を情報共有しました。特に、東日本大震災の経験を通して学んだことや、日本の鉄道は「定時性」よりも「安全性」を重要視していることに対して大変関心を持ってくれました。また、日本の首都である東京の街並みは、「ビル群だけでなく、綺麗な自然や風景もあるなど、様々な表情があって素敵だ」という言葉を聞いて、何気なく過ごしている各エリアの街並みの特徴は、都市計画等の成果なのかと改めて気付くことができました。このフィールドワークを通して、日本の防災に対する一側面を共有することが出来たともに、改めて気付く点もあっただけでなく、グループの友情が芽生えたことを嬉しく思います。」

 

阿部久乃:

派遣元の鉄道会社では建設工事部門の土木技術者として、鉄道ネットワークや生活サービス関連施設などの経営基盤の強化、沿線地域のまちづくりへの貢献を実現するための、設計、発注、施工監理等を通じてさまざまな建設プロジェクトを推進。現在は公共政策プログラム インフラ政策コースにて、観光統計による旅客流動の実態に関する研究に取り組んでいる。

 

  • 参加学生感想その2

Lucas Mikoszさん(Disaster Management Policy Program 水災害リスクマネジメントコース)

 

「私たちのグループでは、日本人学生が案内役を務めてくれ、まずは隅田川のほとりにある墨田公園とスカイツリーを訪れ、最後には水陸両用バスで旧中川を下り、東京の重要な防災関連施設を見て回りました。各所をめぐる間、異なるバックグラウンドを持つ各国の学生たちと、それぞれの国の防災対策や、日本の知見を他国でどのように活用できるかについて興味深い議論を交わし、お互いの経験を共有することが出来ました。プレゼンテーションでは、視察先とそこで得た見識について発表するため、皆で準備を行いましたが、どのチームも、専門的側面からみた正確性に加え、おもしろく、印象的なプレゼンテーションに仕上げるために、できる限りの工夫を凝らしていました。結果、どの発表もチームワークと創造性が際立っており、多くの笑いを誘うものでもありました。日本人の学生たちと交流を持てたことは素晴らしい経験になりましたし、ちょっとした東京観光をすることができ、新しい友人にも出会うことが出来ました。」

 

Lucas Mikosz:

ブラジルの南部に位置するクリチバ市出身で、地質学を専門とし、首都ブラジリアにある国民保護防衛局国家災害リスク管理センターに勤務。基礎構造分析師として被災地域の構造物再建過程の分析、災害ハザードマッピングの監督業務等にあたってきた。ブラジルでは土砂災害軽減に関する日本とブラジルの政府間協力プロジェクトであるGIDESプロジェクトに参加。また、現在の機関に所属する以前は、環境影響調査やハザードマッピング関連の複数のプロジェクトに関わる。2016年10月からGRIPSの修士課程Disaster Management Policy Program、水災害リスクマネジメントコースにて学んでいる。

 

 

取材・文責:企画室広報担当

〒106-8677 東京都港区六本木7-22-1

TEL : 03-6439-6000     FAX : 03-6439-6010

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