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2009.2.19

国際シンポジウム「バイオ医薬品の知的財産と評価に関するシンポジウム」を開催しました

政策研究大学院大学は、2009年2月19日(木)、想海樓ホールにて、本学主催、外務省、マイクロソフト株式会社、日本製薬工業協会 (JPMA)、財団法人ヒューマンサイエンス振興財団、財団法人バイオインダストリー協会の後援により、国際シンポジウム「バイオ医薬品の知的財産と評価 に関するシンポジウム」を開催しました。当日は約200名が参加する盛会でした。
当日のプログラム及び講演者のプレゼンテーションは以下の通りです。
政策研究大学院大学 教授 山根裕子

開催主旨

近年、バイオ技術を応用した医薬品(バイオ医薬品)の研究開発が活発になってきている。低分子医薬品の新薬市場化率に比 べ、バイオ医薬品は世界的に増加の一途をたどり続けるようになった。バイオ医薬品の最先端を切った幾つかの医薬品がその特許期間を満了し始めたことから、 欧州では、後続品(バイオシミラー医薬品)の開発・承認審査に係るガイドラインが幾つか採択され、すでにバイオシミラー医薬品が数品目承認される段階に来 ている。米国ではバイオシミラー医薬品の開発を促進する法律案が議会に上程され、現時点では廃案になっているものの、新政権下で再提案される見込みであ る。日本においてもバイオ医薬品の後続品(日本ではバイオ後続品と呼称)の評価に関するガイドライン案が作成された。バイオ医薬品の研究開発が日本でも活 発化し、さらには新興途上国からのバイオ後続品の提供も予測される時代を迎え、バイオ医薬品の知的財産や安全性については国内医薬品産業にとって大きな関 心事になってきている。インド、中国を中心とする新興途上国においても、バイオシミラー医薬品の開発が活発に行われており、インドにおいては、去る12 月、ガイドラインが採択された。WHOも関係のガイドラインを検討中である。
バイオ医薬品は低分子医薬品と異なり、タンパク製剤であることから免疫原性が課題であり、ヒトに投与した際の安全性についてはより厳重な検討が必要とされ る。また、知的財産においても、特許の取得要件や権利の範囲が必ずしも明確でなく、各国での取り扱いも微妙に異なっている。
このような国際状況に鑑み、世界の専門家を交え、バイオ技術の産業化及びその過程でのイノベーションの意義、知的財産権保護のあり方、安全性確保等の問題点について議論し、バイオ政策に提言することが本シンポジウムの目的である。


プログラム

開会の辞 八田達夫氏 (政策研究大学院大学学長)

セッション1 バイオ医薬品の知的財産権保護:特許付与要件、保護の範囲、権利行使と判例
基調講演
-「欧米におけるバイオ技術発明及びバイオ医薬品の法的保護」(プレゼンテーション: pdf (849kb))
 Professor Dr. Dres. h.c. Joseph Straus (Marshall B. Coyne Visiting Professor of International and Comparative Law; George Washington University Law School, Washington D.C.; Max-Planck-Institute for Intellectual Property, Competition and Tax Law)
-「日本におけるバイオ医薬品の知財保護」(プレゼンテーション: pdf (1,013kb))
 渡辺裕二 (日本製薬工業協会 知的財産委員会委員長 )

セッション2 開発途上国におけるバイオ医薬品の開発
-「途上国とバイオ医薬品の開発」(プレゼンテーション: pdf (545kb))
 加藤浩 (特許庁審査官、前政策研究大学院大学助教授)
-「キューバにおけるバイオ技術の研究開発」(プレゼンテーション: pdf (1,178kb))
 Dr. Ricardo Silva Rodriguez (遺伝子工学・バイオ技術センター(ハバナ)事業開発グループ)
-「インドにおけるバイオ技術医薬品、生物多様性条約及び臨床データの保護」(プレゼンテーション: pdf (693kb))
 Krishna Sarma (Corporate Law Group (ニュー・デリー))

セッション3 開発途上国におけるバイオ医薬品と知的財産権
-「中国におけるバイオ医薬品の研究開発と知財権保護」(プレゼンテーション: pdf (723kb))
 白洲一新 ( ウィルジェンス特許業務法人 弁理士)
-「インド特許法とバイオ医薬品」(プレゼンテーション: pdf (544kb))
 J. Suresh (Lakshmikumaran & Sridharan (バンガロール))

セッション4 バイオ医薬品の安全性・有効性確保に関する規制
-「インドにおけるバイオシミラーの規制―アプローチと基準」(プレゼンテーション: pdf (1,012kb))
  Dr.K.K. Tripathi (インド科学省バイオ技術局アドバイサー、遺伝子組換審査委員会事務局)
-「バイオ後続品に対する日本のアプローチ」(プレゼンテーション: pdf (521kb))
  山口照英 (国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部部長)
-「バイオシミラーに関する米国の規制アプローチ」(プレゼンテーション: pdf (483kb))
  Dr. Keith Webber (米国食品医薬品局・医薬品評価・研究センター 医薬科学部次長 )
-「バイオシミラーに関するEMEAの規制アプローチとガイドライン」(プレゼンテーション: pdf (958kb))
  Dr. Peter Richardson (欧州医薬品庁審査局医薬品品質課科学担当官)

セッション5 国際協力に向けた提言
-「日本のバイオ技術発明と医薬品」(プレゼンテーション: pdf (1,575kb))
  宮田満 (日経BP社バイオセンター編集部長)
-「臨床研究の分析――国際比較」(プレゼンテーション: pdf (752 kb))
 川上浩司 (京都大学大学院医学研究科医学系専攻薬剤疫学分野教授)

まとめ・閉会の辞 山根裕子 (政策研究大学院大学教授)

司会:
政策研究大学院大学 教授 山根裕子
同 准教授 隅藏康一
同 准教授 安田太

 

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