本学では2021年5月17日～21日の5日間、フィリピン政府の事務次官（Undersecretary）および事務次官補（Assistant Secretary）級行政幹部を対象としたオンライン研修を実施しました。

同研修はフィリピン開発アカデミー（DAP）から要請があったもので、フロネティック・リーダーシップの理論や実践例、ベストプラクティスを学び、フィリピンの事例と比較して、今後の業務に役立てることを目的としています。同国の事務次官および事務次官補級幹部職員19名とDAP職員4名の計23名が参加しました。

本研修では「フロネティック・リーダーシップとナレッジベース・マネジメント」に焦点を当て、まず、西原文乃准教授（立教大学）より理論と行政・企業における優れた実践事例について講義頂くとともに、松永正英氏（JICAガバナンス・平和構築部）より「ナレッジ・ベース開発協力のコンセプト」についてご説明頂きました。そして、研修生が省庁横断型の気候変動・自然災害対策委員会のメンバーであることから、「フィリピンにおける災害リスク対策協力」「都市の水政策」について永見光三氏（JICA地球環境部次長）、石渡幹夫氏（JICAシニアアドバイザー・東京大学客員教授）より日本の国際協力の経験について講義頂き、「日本の環境政策」「気候変動の緩和政策」「災害からの復興」について小林光氏（東京大学客員教授、元環境省事務次官）、杉本留三氏（環境省国際協力・環境インフラ戦略室長）、岡本全勝氏（元復興庁事務次官）より講義頂きました。各講義では研修生から実践的な質問が多く寄せられ、活発な議論が行われました。

最終日には、プログラム・ディレクターの横道清孝特別教授のファシリテーションのもと、研修で学んだことの振り返りを行いました。