ニュース・イベント

ニュース・イベント

ニュースとお知らせ

2020.9.30

新型コロナウイルス感染症大流行下の水防災に関する国際オンライン会議を開催しました

R020820新型コロナウイルス感染症大流行下の水防災に関する国際オンライン会議御聴講AYOC-04

 

2020年8月20日、「新型コロナウイルス感染症大流行下の水防災に関する国際オンライン会議」を開催しました。このオンライン会議は新型コロナウイルス感染症大流行下の水関連の災害対処策に関して議論し、行動と連携の方向性に関する認識共有を図るために開催したもので、新型コロナウイルス感染症、水問題・水災害に関する国連・国際機関・各国・市民社会や民間からの指導者、専門家らおよそ300人が参加しました。このオンライン会議は天皇、皇后両陛下も御聴講され、両陛下は終始熱心にご覧になっていました。
会議では、水と災害に関するハイレベルパネル(HELP)のハン・スンス議長・韓国元国務総理、リュウ・ジェンミン国連経済社会問題担当事務次長(ビデオメッセージ)、本学の田中明彦学長らの挨拶に続き、基調講演が行われました。
基調講演者の一人であるアンヘル・グリア経済協力開発機構(OECD)事務総長は、新型コロナウィルス感染症が世界的な健康危機だけでなく、過去約100年で最も厳しい経済の後退をもたらしたが、そのような状況下で水関連災害のような危機に対処するためのレジリエンスや防災が重要であると述べました。更に今回の危機を、長期的な目標達成を推進し、包含的で低炭素な気候変動にも強い持続的な復興を訴求する機会であると捉えるべきだとしました。
二人目の基調講演者であるダニロ・テュルク元スロベニア大統領は、新型コロナウィルス感染症拡大によって、社会経済ならびに政治的取り組みと同時に、環境への取り組みの重要性が明らかになったが、そのためには、包括的な経済社会政策やより改善された国際協力が必要とされていると述べました。さらにその実現に向けた勧告として、「科学と外交の間の連携を強化すること」、「水を平和のための手段として位置づけること」、「ボトムアップのアプローチとローカルな声を強化すること」、「革新的な財政」、「予防的アプローチに注力すること」の五つを挙げました。最後には、今年4月に発生したダムの崩壊が流域国であるウズベキスタンとカザフスタンの新たな協力体制につながった例をあげ、水関連防災は国際水協力や平和や発展に向けた取り組みの中で優先的に実施されていくべき課題であるとして、講演を締めくくりました。
その後の科学技術セッションは、新型コロナウィルス感染症が拡大する中での水関連災害に対処するために科学技術が果たすべき様々な役割について問題提起・情報共有をすることを目的として開催されました。災害管理、情報、看護など様々な分野の専門家による発表が行われ、医療科学だけでなく、様々な工学、自然科学、社会科学的なアプローチにより、グローバルレベルで、ネットワークを強化させながら、異なる分野間で協同していく必要があることが強調されました。
その後のハイレベルパネルディスカッションでは、オランダ、インドネシア、欧州委員会、JICA、国連などの代表が各国・機関での取り組み状況を発表し、新型コロナウィルス感染症と水関連災害という二つの危機に取り組んでいくために必要な政策、プロジェクト、パートナーシップの在り方などが議論されました。

 

>当日の議事次第はこちら

〒106-8677 東京都港区六本木7-22-1

TEL : 03-6439-6000     FAX : 03-6439-6010

PAGE TOP

Print Out

~