政策研究大学院大学（GRIPS）では、バングラデシュ政府および国際協力機構（JICA）バングラデシュ事務所からの要請を受け、2019年12月9日～13日の5日間、バングラデシュ内閣府次官や次官補、反汚職委員会事務局長など政府幹部12名を対象に、グッドガバナンスに関する研修(情報交換及び対話プログラム【The Learning & Dialogue Program on Good Governance】)を実施しました。

バングラデッシュでは、JICAの支援を受け、政府・行政におけるintegrityの推進のため、National Integrity Strategyを実施して来ました。GRIPSではその一環として過去2回研修を実施しました。バングラデッシュにおけるこの取り組みは現在第2フェーズに入り、新たな取り組みが進められています。第2フェーズでは、中央政府の活動に加えて、情報公開や苦情申立制度といったガバナンス施策の地方での実施促進の活動も対象としており、ガバナンス施策を中央と地方で展開する仕組みのノウハウや住民の意識向上を通じたガバナンス施策の実施促進のノウハウを重視していいます。このため、第2フェ－ズでも、日本での研修を実施することになり、GRIPSに要請があったものです。

今回の研修では、日本のガバナンス施策内容の理解、ガバナンス施策実施促進のノウハウの習得、中央省庁の施策を地方自治体レベルで実行する仕組みの理解、ガバナンス改善に向けた住民の役割とこれを促進する具体的な取り組みの理解、住民の意識向上のために行政機関とともに市民社会が果たすべき役割などを理解してもらうことが目的とされました。
この研修では、研修責任者である堀江正弘名誉教授（グローバルリーダー育成センター所長）と久保歩美准教授の講義のほか、総務省の協力を受け、総務省行政評価局、行政管理局、静岡行政監視行政相談センター、静岡県庁など関係機関への訪問も盛り込まれました。総務省では、行政相談制度、情報公開、不服審査、行政手続の制度などについてブリーフィングを受けるとともに、総務審議官を表敬訪問しました。また、静岡行政監視行政相談センターを訪問し、行政相談の業務説明を受けるとともに、総務大臣の委嘱を受けて静岡で行政相談を実施されている行政相談委員と意見交換をしました。また静岡県庁を訪問し、静岡県の情報公開制度及び広報・広聴制度についてブリーフィングを受けるとともに、静岡県副知事を表敬訪問もしました。

研修最終日にはフォローアップ講義及び研修参加者によるまとめと決意表明の後、JICA及びGRIPSから修了証明書を授与し、5日間の研修を終了しました。