同窓会

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ALMO 2010.6

John01Zhu Hong, 中国

中華人民共和国商務部 国際経済貿易関係司副司長
Transition Economy Program (’01)

 

 

 

 

 

GRIPSで様々な挑戦に立ち向かう自信を得ました。

 

Zhuさんは現在、中国の商務部 国際経済貿易関係司(MOFCOM)の副司長で、これまで中国と他の国々との間の貿易協定の高度な交渉に携わってこられました。

現在に至る経緯と、主な任務について教えてください。

MOFCOMの副司長としての任務は、主に以下の3つに分かれます。
1. 他国との間の自由貿易協定(FTA)の交渉

2. ODAのプロジェクト管理(プロジェクトは貧困削減、環境保全、水資源の保護、保健衛生、HIV(AIDS)の感染予防および対策、教育、人口問題、男女同権、法制度および統治などに関するもの)

3. 国連児童基金(UNICEF)、国連人口基金(UNFPA)、国連開発計画(UNDP)、国連貿易開発会議(UNCTAD)、国連工業開発機関(UNIDO)、国際貿易センター(ITC)、一次産品共通基金(CFC)などの国連機関との協働および協力

 

 

GRIPSを卒業後、国際貿易経済関係司の副司長に選ばれる。

GRIPSを卒業後、私は商務部の副司長(DDG)のポジションをめぐる選考に参加し、幸運にも国際貿易経済関係司のDDGに選ばれました。その理由のひとつとして、GRIPS時代に自分の能力を高められたことが挙げられます。

 

世界経済における中国の役割が拡大してきていることから、その経済関係を円滑にし、貿易摩擦を最小化しなければならないという強いプレッシャーが中国にのしかかっています。貿易交渉人として仕事をする上での最大の挑戦は何ですか?John02

交渉人にとって最も難しい仕事は、異なるグループの間の合意を築くことです。交渉とは、「妥協術」と言っても過言ではありません。合意に至るには、交渉相手に歩み寄ることが必要になります。しかし、中国国内の異なる管轄の省庁、事業団体、利害関係者の間の調整はさらに大変な仕事です。

 

 

 

 

 

 

中国の行政府において仕事をしてきた中で、最も誇りに思う業績は何ですか?また、これまでのキャリアにおいて最もやりがいを感じたことについて教えてください。

John03

ここ8年の間、同僚との協働のもと、私はパキスタン、チリ、ペルー、コスタリカと自由貿易協定を締結、調印することに成功しました。そして現在は中国と湾岸協力理事会(GCC)のと間の自由貿易協定の交渉責任者を務めています。6カ国から成る湾岸協力理事会と中国の両サイドともに利益を得ることのできる協定を結ぶことは大きな挑戦であり、もし交渉が成功した場合には、確実に大きな功績となることでしょう。もうひとつの挑戦は、アジア太平洋経済社会委員会の調整のもと進行中の、中国、インド、大韓民国、バングラデシュ、スリランカ、ラオスの間の特恵貿易協定であるアジア太平洋貿易協定(APTA)の交渉です。

 

 

 

-GRIPSで学ぶことになった経緯を教えてください。GRIPSで学んだことの中で最も重要なものは何ですか?またその経験は将来に向けてどのように役立つと思いますか?

 

GRIPSで鍛錬した、自分の考えを国際的な場面で通用させる表現作法と、英語で論文を書く力

自分の能力を高め、異なる種類の挑戦に立ち向かう自信を得たことが、GRIPSで学んだことの中でも最も貴重なものだと思います。GRIPSで学ぶ以前は、私は商務部において国内問題を主に扱っていました。GRIPSでの1年間の勉強と訓練を通じ、自分の考えを国際的な場面で通用させる表現方法を学び、英語で論文を書く力を高めることもできました。GRIPSでのアドバイザーであった沖田教授からは、論文を書くにあたって有意義な助言をたくさん頂きました。 GRIPS在学中に得た知識や構築した考えがあるからこそ、私は今、いかなる挑戦にも自信を持って立ち向かう準備ができています。

 

 

―GRIPSでの一番の思い出は何でしょうか?また、日本を懐かしく思うことがあれば教えてください。

出身国も文化も様々な学生たちと共に暮らし、学んだことは楽しい経験になりました。異なるバックグラウンドを持つ人々と意見を交換し、共存するということをGRIPSで実際に経験できたことは、現在の仕事に生かされています。

 

 John04

-GRIPSへの入学を考えている皆さんに一言アドバイスをお願いします。

GRIPSは、学業を終えてしばらく働いた後に知識をまた新たに構築する理想的な場所だと思います。GRIPSの教授陣はそれぞれの専門分野での指導経験が豊富ですし、日本は、先進国として経済や社会発展に関する教訓を持っており、様々な分野の事例研究を行うには最高の場所です。 GRIPSで学ぶ皆さんへの私からのアドバイスは2つあります。まずは、日本での生活を存分に楽しんで、できるだけ日本の文化に触れるようにしてください。そして、あなたの出身国と日本との間の事例研究を行ってみてください。この2つのどちらからも、たくさんのことを得られるはずです。

 

〒106-8677 東京都港区六本木7-22-1

TEL : 03-6439-6000     FAX : 03-6439-6010

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