大学案内

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「メガシティを支える地下空間」2019

本セミナーには、日本の大学院で学ぶ16ケ国35人の留学生と5人の日本人学生、計40名が参加し、2019年8月20日、21日の2日間にわたり、集中講義と現場見学が行われました。1日目は、産学官のトップクラスを講師に迎えてハイレベルな講義を実施。2日目は、外郭放水路、施工中の東京外郭環状道路を訪れ、現場を見ながら活発な議論が交わされました。

 

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主催者メッセージ

政策研究大学院大学

教授 家田 仁

「留学生のためのサマーセミナー」は、インフラ分野の産学トップクラスの専門家の方々、民間企業のご協力により、日本で学ぶ留学生を対象としたハイレベルのジェネラリスト教育を実施するという特長を備えたプログラムである。
本セミナーの基本ポリシーの一つに、「わが国が世界に誇る得る分野をセミナーのテーマとすること」がある。過去5年間で扱った4分野のうち、「新幹線」と「水と大地」は新たな内容を加えて2回目を実施し、2019年度は建設会社8社の協力を得て、日本の地下インフラ技術をテーマとするセミナーを新たに開催することができ、このポリシーを着実に実践できていることを実感する。
世界規模での持続可能社会の実現には、産学官協働がもはや欠かせないことは広く認識され、その実践に向けて様々な組織体が動き出している。本セミナーも、そういった活動の一役を担い、理想的な産学官協働体制が整いつつある。今後も扱うテーマを広げ、運営組織面の充実を図りながらセミナーを積み重ね、持続可能社会に貢献する人的ネットワークを日本から広げていきたいと考えている。

 

参加者の声

名倉 有香 さん
政策研究大学院大学 公共政策プログラム インフラ政策コース在籍
私は、鉄道会社に入社後、地下鉄構造物の改良工事の計画・設計・工事施工監理を担当する部署に所属し経験を積んできました。現在は政策研究大学院大学で地下駅における広場整備について研究しています。
当セミナーでの学びは、非常に貴重な経験となりました。特に、五洋建設株式会社の藤田恭三氏による講演は、シンガポールの地下鉄建設において日本の質の高い土木技術が輸出されている事例を紹介するとても興味深いものでした。また多くの講師が、若い技術者への教育・技術の伝承を課題として挙げていることも印象的でした。
外郭放水路の見学では、施設の外国人見学者への手厚い対応を垣間見ることができ、毎年多くの見学者を引き付けるインフラツーリズムの運用背景を学びました。
もっとも、当セミナーを通して日本で学ぶ留学生と過ごした時間は、多くの価値観に触れるきっかけとなり、非常に刺激的でありました。常に国際的視座を意識する学友から、日本の土木技術を客観的にみることを教わりました。
今後も首都圏の多様化された地下空間では、より一層複雑な条件下での工事が予想されます。これら日本の土木技術は、海外のインフラ整備に貢献することと思います。私はこの技術輸出の一翼を担いたいと考えています。

 

実行委員会 委員長メッセージ

小澤  一雅 様(東京大学 教授)

このたび、留学生のための特別サマーセミナーシリーズとしてはじめて、都市の地下空間の建設をテーマとした「メガシティを支える地下空間」を開催いたしました。

日本の首都である東京という都市の機能は、かなりの部分は地下空間によって支えられており、その用途は、交通ネットワークや地下街をはじめ、電力やガス、通信といったインフラや、災害対応設備など多岐にわたっています。限られた土地の中で、高度に集積した都市を造るためには、地下空間の利用は非常に効果的です。しかし同時に、地下空間の建設には様々なリスクがあり、それを克服するための先進的な技術や社会システムが必要となります。

今回のセミナーでは、世界有数の都市として発展した東京において、どのように地下空間の利用が進んできたのか、またそれを支えている技術やシステムはどのようなものがあるのか、トップクラスの行政専門家、研究者、企業の実務者の豊富な経験を踏まえた講義が行われました。また2日目には、東京近郊の大規模な地下空間の利用や建設の状況を実際に見学することにより、その規模や社会的効果を実感してもらいました。

このセミナーで得た知見が、参加学生個人の将来に活かされ、ひいては母国の都市インフラの発展に少しでも寄与することになれば、非常にうれしく思います。

 

 

実行委員会 副委員長メッセージ

杉原 克郎 様(株式会社エスシー・マシーナリ 代表取締役社長

この度、「メガシティを支える地下空間」に焦点を当て、1日目はまず、トップクラスの行政専門家や研究者より、現在に至るまでの日本の歴史的な法整備と将来展望や地下街の安全について説明を受けました。次に、現場の最前線に立った人達より、日本の国内外において、河川や営業中の鉄道・道路下に地下空間を造り上げる技術を、事例を交えて話を伺いました。最後に、地盤の研究者より、陥没に関する研究成果の説明を受けるとともに、建設会社幹部より、日本の建設会社・社会基盤整備の歴史についても話していただきました。

2日目は、東京近郊の大規模地下空間利用の実例として、既に稼働中の外郭放水路、現在施工中の東京外郭環状道路の大泉立坑・シールド工事及び中央ジャンクションの開削工事現場を見学し、技術的問題点他について活発な意見交換を行いました。

受講者の皆さんが今回のセミナーを通して日本の建設会社の地下空間での施工技術を知るばかりでなく、我々が将来皆さんの母国をはじめ世界各地での社会資本整備に共に貢献できることを期待しています。

今後、当セミナーに関する感想・意見を参考に、さらに充実したセミナー作りを目指したいと考えています。

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