グローバル秩序変容時代のリーダー養成プログラム
― GRIPS Global Governance Program (G-cube) ―

<本プログラムの概要>

本学位プログラムでは、歴史や深い教養に裏打ちされた大局観を持ち、長期的かつ複眼的で幅広い視野から的確な判断ができる能力を有し、新しい世界秩序・地域秩序の形成に参画する意思と能力を併せ持った、国家・国際機関・産業界などの各界で指導的な役割を果たしうるトップリーダー(Leader of Leaders)を養成する。

世界は今、大きな変化と深刻な危機に直面している。これは、グローバル化の進展や新興国の台頭等による世界的な富と力の分布の変化、根源的な価値観や利害の対立、既存のグローバル・ガバナンスの仕組みやルールの機能不全などに起因する。その結果、金融危機やテロ、エネルギー問題、環境問題等の諸問題を従来の枠組みや手段では解決できなくなっている。これらの危機や問題を根本的に解決し、新たな時代を切り開くためには、(1)偏狭な価値観や歴史観を超克し、直面する諸課題を過去から未来へとつながる時間軸の中に位置づけ、様々な角度から検討することで問題の本質を見抜く大局観を持ち、(2)個々の課題に実効性ある処方箋を提示することができる課題分析能力と、(3)さらには自己の見解を言語や文化、歴史、宗教、民族、国籍などの違いを越えてより多くの人に分かりやすく伝えることができるコミュニケーション能力を兼ね備えた人材が不可欠である。このような人材は専門家養成に重点を置いた、従来の人材育成の在り方では育てることは出来ない。

このような問題意識を基に、本学は、これまでの政策領域における人材養成の豊富な実績を踏まえ、新たな学位プログラムを開発する。このプログラムでは、これまで日本では重視されてこなかった歴史や教養を基礎に据え、学生の「物の見方(perspective)」を徹底的に鍛え上げる。これにより、特定の分野に特化した専門家ではなく、多くの分野を架橋して、新しい国内・国際秩序形成に指導的な役割を果たすことができる各界のトップリーダーを養成することを目的とする。さらに、本学位プログラムで開発する新しいトップリーダー養成モデルを国際的に発信し、この分野で世界的にもオンリーワンの大学院となることを目指す。

 

<特色・優位性>

・国内外から実務経験のあるミッドキャリアのプロフェッショナルを学生として受け入れ、彼らを政・財・官等で活躍できるトップリーダーとして養成する。

・カリキュラムはすべて英語で提供し、日本人学生と留学生とが共に学び、国籍、文化、専門を超えて競争し協力できる能力を涵養する。

・トップリーダーとして必要な大局観、課題分析能力、コミュニケーション能力をバランスよく養成できるカリキュラムを提供する(歴史や教養の重視、少人数のチュートリアルの必修化等)。また、論文のみならず、課題対応力審査委員会等、大局観についても適切に評価する仕組みを導入し、学位の質を保証する。

・危機管理対応時に必要とされる判断力やリスクコミュニケーション能力等を、実践に即したシミュレーション等を通じて養成する。

・実際に危機管理をおこなった経験を有する政・財・官・学の各界の指導者を国内外から招いて基礎講座やエグゼクティブ・セミナー等で講師を務めてもらい、その経験からリーダーとしての資質と教養を身に付けさせる。

・トップリーダーとして活躍するための財産となる、教員や有識者、学生間のネットワークを形成することができる。

 

なお、本学では日本人学生と外国人学生の比率はすでに1対2となっており、海外からは、特に新興国、発展途上国から、毎年、多くの優秀な学生を受け入れている。学生の圧倒的多数はミッドキャリアの行政官で、修了生の中には、自国、あるいは国際機関で、すでに次官、局長等、幹部となっている者も少なくない。本学位プログラムでは、本学のこれまでの人材養成の経験や培った人脈を最大限活用し、対象を行政官に限らず政・財界等にも広げ、時代が必要とする新しい資質を有する人材を養成するカリキュラムを構築、実施する。

 

 

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