同窓会

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ALMO 2012.1

小沢鋭仁氏は、1954年甲府市生まれ、東京大学卒業後、1979年から1981年の間、埼玉大学大学院政策研究科(GSPS)にて学ぶ。
その後、東京銀行に勤務し、1993年、39歳の時に衆議院議員に当選、2009年、民主党政権で初の環境大臣に任命される。

 

 

 

  1. 埼玉大学大学院政策研究科(GSPS)時代の印象に残る思い出は?

    私が大学院に学生として在籍していた当時は、学生が1期生、2期生を合わせて10名程度、それに対して先生方は20名以上いらっしゃり、学生よりも先生の方が人数の多い状況でありました。また、アメリカでPh.D.(博士号)を取って帰ってきたばかりの新進気鋭の先生方が多く、極めて濃厚で充実した指導を頂くことが出来ました。そういった優秀な先生方が、同じ研究棟に研究室をお持ちになっていて、毎日夜中の12時くらいまで部屋の電気が消えることはありませんでした。そのように研究活動に勤しんでいる姿に、私も、「先生方があれだけ勉強しているのだから我々も頑張らなければならない。」と発奮させられたことが思い出されます。
    たまの休日には先生の車に乗って、荒川沿いのテニスコートに行き、テニスをして過ごしたことも、とても良い思い出です。
  2. GSPS修了後、どの様な経歴で国会議員になりましたか?

    大学院修了後に東京銀行に入行した後、当時の衆議院議員であり、私の恩師でもある浜田卓二郎先生から、先生の作られた政策集団「自由社会フォーラム」の事務局員にお誘い頂き、東京銀行勤務を続けながら研究会のお手伝いをさせていただきました。この政策集団の当時のメンバーは、現在の自民党の谷垣総裁、大島副総裁、高村元大臣等であります。それから銀行を退職して事務局長になり、そこに10年務めた後、国会議員となりました。
  3. 国会議員としての現在にGSPSでの経験はどの様に役立っていますか?

    GSPSでの勉強は、私の政策活動にとって大変重要なベースになっています。多くの国会議員が、勉強といっても総合雑誌・新聞レベルの勉強であるのに対し、私はGSPS時代に、経済学や経済政策において、原書・原典から学び、根本的な学説を叩き込んでいただきました。このことは、新しい問題に直面した時の、いわゆる判断の基準として極めて深いところでの私の判断を支えてくれるベースになっていると感じております。
    私が政策活動に勤しめる最大の自信の源泉が、GSPSでの勉強なのです。
  4. 2009年から2010年まで環境大臣を務められましたが、環境大臣として、苦労された事、また、今後の日本の環境改善のためになすべき事、そして、世界の環境改善に日本が果たせる役割についてのご意見をお聞かせください。

    1. 苦労した点
      環境大臣就任直後、鳩山総理大臣と国連総会に出席して、CO2の25%削減を宣言させていただきました。そのことは世界にとても重要なメッセージとして歓迎されたわけですが、その後日本に帰ると産業界を中心とした反対論に遭い、苦労も致しました。さらには、政策的な中身ではありませんでしたが、鳩山総理が普天間問題等で辞任をし、法案の審議が中断してしまったこと、またその後に環境委員長となり、法案の修正協議を行っていた時にあの3.11の震災が起こったことにより、それまでの修正案が全てご破算になってしまったのです。このことは私にとって大変辛かった思い出であります。
    2. 日本の環境改善のためになすべき事
      環境大臣時代に一貫して主張し続けたことは、「我慢をしてCO2を削減するのではなく、生活を快適にすることを目指しながらCO2を削減する。」ということです。具体的には、自動車ならばハイブリッドや電気自動車ということになりますし、住宅ならば太陽光パネルの設置や二重サッシ(複層ガラス)などの設備の設置があります。それらが環境を良くし、経済も強くしていくのであり、そういう道をしっかりと辿るべきだと思います。
    3. 世界の環境改善に日本が果たせる役割
      日本の環境技術は世界の最高水準です。世界、特にアジアへ環境技術を伝達していくことは、世界全体の環境改善に大いに役立つと思っております。それは温室効果ガス(CO2)の話だけではなく、廃棄物の処理といった問題でも大変重要ですので、日本の環境技術が世界の環境改善に果たす役割は大きいと思います。
  5. 5年、10年後の日本はどうあるべきだと思いますか?また、そのために果たすご自分の役割は?

    昨年、「上質国家日本」という提言を、私の主催する勉強会である「国家研」で発表させていただきました。5年、10年後の日本はさらなる少子高齢化になっていきますが、そのときにヨーロッパ型の福祉社会を改良した、まさに日本型福祉社会を作っていくことが必要です。そのために政治の先頭に立って頑張っていきたいと思っております。
  6. 現在の政策研究大学院大学(GRIPS)院生へのアドバイスがあれば、お聞かせください。

    時事的な事柄ではなくて、まず原書・原典に当たって根本的な勉強をして、深い学問的研究を行うことが大切です。そしてその上に立って、感応度を高め、目の前で起こっている問題に学んだ学問をどのように当てはめていけるか、といった視点を持っていくことが大事だと思います。
  7. GRIPSに求めること、アドバイスはありますか?

    GRIPSはこれまで官界における知的なリソースやインフラとしての役割を果たし、また、それを求められてきました。他方、今日では政と官の役割を比べると、政治の果たす役割は以前に比べ、極めて大きくなっています。今後は官界だけでなく、政界における知的インフラストラクチャーとして、GRIPSには精力的に活動していただければと思います。
  8. 自由な時間には何をされていますか?1カ月の休みが出来たら何をしたいですか?

    1. 自由な時間
      時間があればテニス、ゴルフなどのスポーツをして、体を動かしています。
    2. 1カ月の休み
      船に乗って、大型客船でハワイを回る旅行をしたいと思います。

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