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リサーチ・プロジェクト

2019/6/1 ~ 2020/3/31

アジア新興国の高付加価値化をめぐる現代的課題

研究代表者

本研究は、GRIPS新領域研究(2013-2018)の研究成果を発展させつつ、独自な領域を確立しつつある「新興国研究」に寄与することを最終目標とする複数年の研究の第2年目に位置づける。全体の問いは、アジア新興国および新興国になりつつある国々を対象に、1)成長著しい新興国のこれまでの発展にはどのような特色があるのか、2)持続的経済成長のためにこれから必要な技術力を新興国が獲得する上で直面する課題は何か、というふたつの問いを研究課題として設定している。初年度は、GRIPSリサーチ・プロジェクトの助成を受けて、従来研究を整理しつつ、人材発掘(とくに若手研究者)と研究のネットワークづくり、また研究課題について再検討を行う準備期間であった。第2年目となる本研究は、より具体的な問題に切り込む。中国の台頭と東南アジア新興国への投資、AIやGIGエコノミーなどによるグローバル経済の変動という外的要因に対して、各国官民は中所得国および経済停滞から脱却すべくどのような高付加価値化の対応を行っているのか、企業や労働の技術能力向上の政治・社会的条件を考察する。その際に、技術力を個別企業や労働者というミクロレベル、一方で国民経済や地域経済というマクロレベルの重層的視点をもち、国際的な比較研究をおこなうことで、体系的に新興国の発展過程を捉える枠組みを提示することを目的とする。