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リサーチ・プロジェクト

2011/5/27 ~ 2013/3/31

交通・情報のネットワークと地域経済構造の分析プロジェクト

研究代表者

本研究は、空港、港湾、鉄道、および道路からなる交通ネットワークの整備とその運用方法について、具体的な政策提言につながるような理論的・計量的フレームワークを作り分析することを目的とする。外部性や規模の経済がある社会においては、個別の輸送市場を部分均衡的に分析するのでは、政策の正確な評価は不可能である。本研究では、ネットワーク内での個別リンク間の関係および交通産業と産業立地、コミュニケーションの関係に着目して、これらを一般均衡的に捉えることとする。  交通・通信といったモノや情報のやりとりは多層的である。グローバル経済においては、内外を問わずインターネットを中心とした瞬時の情報通信がある一方で、コンテナによる大量海上輸送、航空機による時間の節約が見られ、国内では、高速道路から国道、全国津々浦々まで張り巡らされた道路網によるトラック輸送や大都市内・都市間の鉄道輸送まである。そして、これらの多層的なレイヤーは相互に連関している。島国日本において海陸間の連携や、大都市圏のJR・地下鉄・私鉄網が好例である。より広く、成長するアジア経済のハブとしていかに日本の競争力を高めるかという問題については、すべての物理的なレイヤーにある輸送モードだけでなく、さらには仮想的なレイヤーにある情報通信技術までも考慮して、アジアの中の日本、そして、日本全体の交通・通信の流れを考えなければ解決できない。これに対応するためには、輸送・情報ネットワーク内での、各リンク市場間のつながりを考慮した一般均衡のフレームワークで考える必要がある。  これまでにGRIPS内で実施してきた「ポリシーモデリング・プロジェクト」、「ネットワークと集積の経済プロジェクト」の成果を踏まえて、われわれは、地域経済学と交通経済学といった応用ミクロ経済学の観点を中心にして、この成果をさらに発展させる形で検討をさらに進めていきたい。