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リサーチ・プロジェクト

2018/6/1 ~ 2019/3/31

フィリピンにおける政策連合の政治―フィデル・ラモス政権を事例として

研究代表者

急速なフィリピン社会の変化にもかかわらず、フィリピン政治を分析する支配的な視角には変化が見られない。他方、民主化から30年たち、政治の現場にいた人々による回顧や評伝が多く出版されてきた。そうした状況を踏まえ、本研究では、政策連合(Policy Coalition)に注目して民主化後のフィリピンの政治発展を分析する。政策連合とは、政策課題を見つけ出す社会運動家、課題解決の手段を考える専門家、政策を立案する官僚、政策を議論し決定する政治家などからなるネットワークである。本研究が注目する政策連合は、政党ほど包括的ではないが、政治家個人ほどバラバラでもない政治の分析単位である。本研究は、フィリピン政治についての知見を豊かにするのみならず、政党システムが不安定な政治体制における政治秩序の特徴を考察する分析枠組みを創造する試みでもある。具体的な考察対象として、数々の制度改革を実現したフィデル・ラモス政権(1992-1998)を事例として取り上げる。同政権期に重要な役割を果たした国軍を長年にわたって取材してきたフィリピン人ジャーナリストと協力する。