GRIPS 政策研究センター Policy Research Center

客員研究員

2010/4/1 ~ 2012/3/31

港湾経営の国際的な戦略変化に関する研究

研究代表者

背景と目的: 世界の港湾は、グローバル化の進展とともに急激に増大する港湾需要や港湾利用者の新たなニーズに対応するため、その伝統的な経営モデルを大胆に見直し経営体制を変革するとともに、広範な事業領域への進出を含め新たな経営戦略を展開しつつある。 一方、我が国の港湾は第二次大戦直後に制定された港湾法の枠組みの中で、60年にわたり開発、管理されてきた。政府は、2004年にスーパー中枢港湾政策を立ち上げ、翌年に港湾法を改正し港湾の規制緩和やサービス改善の諸施策を推進し、さらに2010年より国際コンテナ戦略港湾の形成を目指して「戦略的な港湾経営の実現」「港湾経営体制の強化」に取り組もうとしている。 こうした状況を踏まえ、本研究は、港湾の経営体制や戦略の国際的な変化を分析し、港湾の経営をめぐる中心的な課題を明らかにし、日本の港湾政策への示唆を得ようとするものである。  研究の視点と手法: まず、1980年代以降、世界各国の主要な港湾が導入してきた経営体制の変革について、既往の研究成果をレビューし、組織形態の変化や機能的特徴を考察する。各国の港湾制度や主要港湾に関する資料をもとに経営体制の変革の特徴を分析し、国際的な視点から港湾の組織改革に関する時間的な深化や広がりについて考察する。 さらに、代表的な港湾を抽出し、各港湾の経営体制の変革や経営戦略の変化の背景、経緯、進捗について分析する。とくに具体的な戦略課題に対する港湾の対応行動を分析することにより、港湾の経営体制が現実にどのように機能しているかを明らかにし、経営体制の変化との関わりを考察する。 日本のコンテナ港湾における経営体制の変遷と現状について、国際的な経営体制の変革の流れに照らして分析し、その特徴と問題点を明らかにしつつ、これからのあり方について考察する。 写真:ハンブルグ港湾局