GRIPS 政策研究センター Policy Research Center

客員研究員

2017/4/1 ~ 2019/3/31

政策科学における最適化モデリング

研究代表者

   ビッグデータの時代の政策研究において数理的手法がますます重要になってくることは言を俟たない。そこにおいてはさまざまな形での最適化が行われる。本研究では、政策科学における最適化によるモデリングとアルゴリズムに関し、下記の4つのテーマについて実践的に研究することを目的とする。特に3は萌芽的な研究となる。

 

1.パラグアイの大豆生産の確率的最適化

 パラグアイにおいては、大豆が主要作物であり、重要な産業であるが、大豆生産は、天候リスクと金融リスクを負っている。申請者と博士課程学生のAndres Morinaは、降雨量と大豆の単位収量の関係についてデータ解析を行い、現在、パラグアイの大豆生産組合がその結果を利用するための農業実験を行うことが決定している。本研究では、次のステップとして、実験に参加しつつ、天候リスクを確率的計画法によって軽減し制御する研究を行う。

 

2.凸最適化によるモデリングとアルゴリズム

 21世紀の線形計画問題といわれる半正定値計画問題や2次錐凸最適化はモデリングの基本的なツールであるが,古典的線形計画問題と比較すると、アルゴリズムのロバストネスや解ける問題の大きさに未だに難があり、また、モデリングにおいても、周辺技術等がまだ十分に整っていない、という問題がある。そこで、アルゴリズムとモデリングの技術を深化させるための研究を行う。

 

3.行政や企業におけるシミュレーションやデータベースの活用と最適化に関する萌芽的研究

 近年、社会や企業におけるシステム・製品開発や設計においてはシミュレーションによる設計パラメータのチューニングが不可欠であるが,シミュレーション自身が多大な計算時間を必要とし,設計パラメータの次元も比較的低次元(10次元程度)であるとはいえ、最適化するには人手には余る。また、行政における公共施設や公共インフラのアセットマネージメントにおいてはGIS のようなデータベースをスムーズに最適化モデルにつなげることも重要な課題である。近年、このような、シミュレーション技術やデータベース技術と最適化技術の摺合せが重要になってきている。これは、諸現場が共通に抱える難しい問題であるが、社会や工学においてシミュレーションやデータベースを活用としている諸分野と接触しつつ、最適化モデリングの立場から現状を俯瞰して整理し、現実の問題に取り組みつつ、実践を通じて今後の研究の戦略を探ることを目的とする。