GRIPS 政策研究センター Policy Research Center

客員研究員

2015/4/1 ~ 2016/3/31

国会アーカイブス・プロジェクト

研究代表者

本プロジェクトでは,国会に関する歴史的史料の発掘,保存,整理,公開のあり方を問い直し,政策的な情報公開における文字情報への偏りを改め,写真,音声,映像といった史料の収集・整備に取り組むとともに,非文字情報のデータベース化や公開の方法を開発し、また、それらを従来の文字情報に応用することによって,文字情報のみに限定されることで捨象されてきた国会の時間的,空間的次元の再構築を試みる。

 

 本プロジェクトに先立って,申請者は研究代表者として,科学研究費補助金基盤研究(S)平成22~26年度「政策情報公開の包括化・国際化・ユニバーサル化」を実施し,その後継共同研究として,科学研究費補助金特別推進研究平成27~31年度「政策情報のユニバーサルな需要供給に関する実証的・実践的研究」を申請中である.これらの共同研究の一つの目的が国会事務局のインターネットで配信する審議映像の活用方法を革新的に改善することにあり,具体的には,事務局の配信する審議動画に最新の音声認識技術を応用することによって,発言単位で部分視聴できるようにするため,会議録と映像の同刻情報のデータベース化,会議録を検索することによって映像の該当部分を特定するプログラムの開発,特定された審議映像の部分再生を可能にするウェブ・インターフェースの運用などを行ってきている。

 

 こうした取り組みを通じて,再認識させられたことは,国会の会議録が文字情報として重要であることに変わりはないが,国会で起きていることの全てが会議録に記録されるわけではなく,会議録は国会で起きていることの時間的,空間的な次元を捨象した一部の記録であるに過ぎないということである.また,会議録自体についても,政治学者や行政学者の狭い観点からの国会の記録としてだけでなく,言語学的,文化人類学的な研究の素材として,言語処理や音声認識といった工学的な分析の対象としても情報の宝庫と言えることである。

 

 本プロジェクトでは,申請者が代表を務める一連の共同研究に歴史軸を拡張するパイロット・プロジェクトとして,国会に関わる写真,音声,映像といった史料の発掘,収集に着手し,そうした史料のデータベース化,公開方法を検証するとともに,従来,国会の事務局で未整理のまま保存されてきた会議録や書簡,覚書などの史料についても整理・公開を促進するため,従来の文字情報に限定された公開方法でなく,国会の史料に関する包括的,革新的な公開方法の開発・運用を試みる。