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2008.11.30

山根裕子教授著『知的財産権のグローバル化』が日経BP・BizTech図書賞を受賞

本学山根裕子教授『知的財産権のグローバル化』(岩波書店、2008年)が、2008年(第8回)日経BP・BizTech図書賞(日経BP社)を受賞し ました。日経BP・BizTech図書賞は、技術と経営の進歩や発展に役立つ優れた図書を表彰するもので、2001年に創設されました。

 

受賞者のコメント

  近年、知的財産権のグローバル化をめぐる議論の対立が激化している。途上国のエイズ問題をきっかけに、コピー薬による解決策が蔓延した。その過程で、 焦点は、知的財産権の保護ルールをいかに緩和すべきかに置かれてしまった。知的財産権と医薬品の価格や治療効果等の関係について、実証は皆無である。その 背後には、新興途上国の産業政策があったが、それがグローバルな品質基準を回避するための国内生産の奨励手段にとどまる限り、社会厚生は創出されない。議 論の力点は、模倣の奨励にではなく、創薬分野におけるイノベーションの意味を解し、安全性や効能の恩恵も吟味し、それを奨励するための制度にこそ置かれる べきであろう。本書は、議論の背後にある産業利益を分析し、グローバルな知的財産権保護ルールのあり方を探索した。
  特許が財産権であり、情報の使用を制限するものである限り、その社会的役割に関して見解が対立するのは当然である。この制度の非効率な点や「濫用」に ついては、今後、各国において、客観的な評価の基準によって対応すべきである。他方、アイディア次第でグローバルな市場への参入を可能にするのも特許であ る。その基本は、途上国においても変わらない。
  対立する見解を越える解釈の必然性を、立場の異なる読者にも伝えたい。そう願ってこの書をしたためた。

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